(258)
アミノ基の保護について
misty
2005年12月05日(月) 09時37分
アミノ基の保護についてわからないことがあります。
合成の都合上、アミン類のアミノ基を保護して反応を進めたいのですが、
Boc基による保護を現在考えています。
そこでいくつか疑問があるのですが、
この際に用いる溶媒は、どのようなものがよいのでしょうか。
また溶媒や過剰試薬の除去等はどうすればよろしいのでしょうか。
反応が進行したことを確認するのはTLCしかないのでしょうか。
保護する際に注意しなければならないことはありますか。
以上、少し多いですが、
ご存じのかたがいらっしゃいましたら、
教えてください。
よろしくお願いします。
(260)
(Re:258)
Re:アミノ基の保護について
公孫硫
2005年12月05日(月) 18時38分
>Boc基による保護を現在考えています。
こういう場合は、まず図書館に行って「Protective Group」という本を見ます。
http://as.wiley.com/WileyCDA/WileyTitle/productCd-0471160199.html
mistyさんの先輩でも持っているかもしれません。できたら、ご自分でも一冊購入することをお勧めします(私はWileyの回し者ではありませんが、自分に対する投資を惜しんではいけません)。
>また溶媒や過剰試薬の除去等はどうすればよろしいのでしょうか。
普通にやります。
>反応が進行したことを確認するのはTLCしかないのでしょうか。
TLCが使えないのでしたら、ガスクロでも液クロでも、何でも使えます。
>保護する際に注意しなければならないことはありますか。
普通の反応です。
公孫硫
(261)
(Re:260)
Re:アミノ基の保護について
misty
2005年12月06日(火) 12時35分
公孫硫 様
ご回答、ありがとうございます。
>こういう場合は、まず図書館に行って「Protective Group」という本を見ます。
上記の本は、図書館にありませんでしたので、
自分で購入を検討します。
購入次第、読んで勉強して、色々とやってみようとは考えています。
>>また溶媒や過剰試薬の除去等はどうすればよろしいのでしょうか。
>普通にやります。
>>反応が進行したことを確認するのはTLCしかないのでしょうか。
>TLCが使えないのでしたら、ガスクロでも液クロでも、何でも使えます。
>>保護する際に注意しなければならないことはありますか。
>普通の反応です。
私はあまり有機合成反応について、あまりよく知らないため、
上記のような質問をさせて頂いた次第です。
普通の反応で、過剰試薬の除去等も普通に行えるということは、
特に注意することはなく、エバポレートによる溶媒回収で
過剰保護試薬も回収できるとの認識で良いのでしょうか。
また精製はカラムクロマト法で良いのですよね。
(カラムクロマト法による分離もしたことはないので、溶離液については、色々と試してみるしかなさそうですが・・・)
基本的な確認になってしまい、申し訳ありませんが、
よろしくお願い致します。
misty
(262)
(Re:261)
Re:アミノ基の保護について
公孫硫
2005年12月06日(火) 14時49分
misty 様
>私はあまり有機合成反応について、あまりよく知らないため、
>上記のような質問をさせて頂いた次第です。
あらら。それは申し訳ない。アミノ基をBocで保護するということは、普通の有機合成の研究室かと思いました。
>普通の反応で、過剰試薬の除去等も普通に行えるということは、
>特に注意することはなく、エバポレートによる溶媒回収で
>過剰保護試薬も回収できるとの認識で良いのでしょうか。
>また精製はカラムクロマト法で良いのですよね。
溶媒には塩化メチレンが一番普通ですが、有機合成をやったことが無いのだとすると、廃液処理等で問題が生じるかもしれませんので、使えるかどうか確認してください。また、用いるアミンが塩化メチレンに溶けなければ意味が無いので、その確認も必要です。Boc化剤には無水Boc(Boc2O)を使います。溶媒中でアミンとBoc2Oを濃いめに混ぜ、反応をTLC(など)で追います。Boc2Oは小過剰で十分のはずです。Boc化されると、通常はより低極性側(TLCで上の方)にスポットが現れますから、それですぐに分かります。
反応が終わったら、エバポレートすると、粗生成物が得られます。もし必要ならばいったん有機溶媒に取って、薄い酸で素早く洗います。そうすると、原料のアミンが残っていれば、それを取り除くことができます。
Boc2Oを過剰に使っているのは、アミンが貴重だとした時の話で、Boc2Oの方が貴重なのであれば、アミンを過剰に使います。アミンを過剰に使った時には、上記の分液操作でほぼ純粋なBoc体が得られますが、Boc2Oを過剰に使っている時にはそれが残ります。
この先、どのような精製操作をすべきかは、ものの性質によります。カラムクロマトグラフィーで生成するのもよいですし、結晶化するなら再結晶でもよいかもしれません。
公孫硫
(273)
(Re:262)
Re:アミノ基の保護について
misty
2005年12月13日(火) 15時21分
公孫硫 様
お返事が大変遅くなりまして、申し訳ありません。
詳しい説明、誠にありがとうございます。
大変参考になります。
色々と勉強しながら、がんばってみます。
ありがとうございます。
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