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Re:還元剤と酸化剤について・・・
M&M
2004/09/27(月) 06:57
あやか(高1)さん、こんにちは。
>・有機物と金属が還元剤になる理由
まず、酸化と還元、あるいは酸化剤、還元剤とは何かを理解して下さい。
中学までは、酸化とは酸素と化合すること、還元とは酸素を失うこと(あるいは酸化とは水素を失うこと、還元とは水素を得ること)と学びましたね。高校ではさらに一般化して、物質と電子のやりとりで酸化・還元を定義します。
酸化:電子を失う反応を酸化といい、電子を失った物質は酸化されたという。
還元:電子を得る反応を還元といい、電子を得た物質は還元されたという。
あるいは、原子の酸化数というものを定義して、
酸化:酸化数が増加する反応を酸化という。酸化数が増加した原子を含む物質は 酸化されたという。
還元:酸化数が減少する反応を還元という。酸化数が減少した原子を含む物質は 還元されたという。
したがって酸化剤、還元剤とは
酸化剤:相手を酸化する物質(自身は還元される物質)
還元剤:相手を還元する物質(自身は酸化される物質)
ですね。このことが分かっていれば、なぜ金属(単体)が還元剤になるかは理解されるはずです。例えば、硫酸銅の水溶液に亜鉛板を浸すと、亜鉛は溶けて、亜鉛板の表面には銅が析出します。この反応は
Zn → Zn2+ + 2e- (1)
Zn 原子は電子を失って酸化されるから、還元剤ですね。一方硫酸銅は
CuSO4 + 2e- → Cu + SO42- (2)
あるいは
Cu2+ + 2e- → Cu (3)
Cu2+ イオンは電子を得て還元されるから、Cu2+ は酸化剤ということになります。
しかし、ある金属の単体が常に還元剤として働く働くわけではないことにも注意しましょう。たとえば、硫酸マグネシウムの水溶液に亜鉛板を浸したとすると、どうなるでしょうか? 考えてみて下さい。酸化剤、還元剤というのは反応する相手の物質とどのような反応をするか(あるいはしないか)によって決まるものなのです。
同じことが有機物でもいえます。有機化合物は還元剤として働くものが多いことは確かですが、やはり相手次第です。酸化剤として働く場合(もの)もあります。例えばカルボニル化合物やニトロ化合物などは強い酸化剤になります。
メタンような炭化水素の燃焼反応(酸化反応)を考えると
CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O (4)
この反応での酸化数の変化を調べてみて下さい。有機化合物というのは炭化水素を中心とする炭素の化合物です。炭化水素の中での炭素原子の酸化数はどんな値をとっていますか?
エチレンと水素の反応ではどうでしょう。
C2H4 + H2 → C2H6 (5)
この反応でエチレンは酸化剤ですか、還元剤ですか?
>・カイロの中身やエージレスの中身の何が還元剤なのか
> 製品の働きと仕組み
カイロも脱酸素剤(エージレスは商品名)も普通、鉄粉を用いています。カイロについてはこの掲示板内でも質問がよくありましたし、Webサイトにもたくさんあると思いますので、検索してみて下さい。脱酸素剤エージレスについては例えば次のサイトなどを見て下さい。
http://www.ryoko.co.jp/life/ageless/qa/answer.html
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