(5809)
エチンの重合反応について
knyacki
2004/07/04(日) 16:31
こんにちは、高3のknyackiといいます。
予備校の化学の授業で
3C2H2→C6H6 (エチンを赤熱した鉄管に通して1.3.5-シクロヘキサトリエンをつくる)の反応をやったのですがよく考えたらこれってベンゼンだと思うんですが 1.3.5-シクロヘキサトリエンとベンゼンって別物なんですか?
(5813) (Re:5809)
Re:エチンの重合反応について
M&M
2004/07/04(日) 18:49
knyacki さん、こんにちは。
>1.3.5-シクロヘキサトリエンとベンゼンって別物なんですか?
同じものです。国際純正および応用化学連合(IUPAC)の有機化学命名法によれば、「(側鎖のない)単環式不飽和炭化水素の名称は、対応する cycloalkane の名称の -ane を -ene などに変えて作る。」ことになっています。したがって炭素数6で、二重結合が3ですから cyclohexane → cyclohexatriene であとは二重結合の位置番号を頭につけるのです。ただし、1.3.5- ではありません。 1,3,5-シクロヘキサトリエン です( .ではなく ,で区切ります)。
さらにこのような系統名より、慣用名である 「ベンゼン」 を引き続き用いるとされています。
(5824) (Re:5809)
Re: エチンの重合反応について
Quita
2004/07/04(日) 23:06
knyackiさん、こんにちは。
>3C2H2→C6H6 (エチンを赤熱した鉄管に通して1.3.5-シクロヘキサトリエンをつくる)の反応をやったのですがよく考えたらこれってベンゼンだと思うんですが 1.3.5-シクロヘキサトリエンとベンゼンって別物なんですか?
まず、今はC2H2を組織名の「エチン」で教えているのですか? これを読んでいる人も「アセチレン」と言った方が親しみがあるという人が多いと思います。
最初有機化学を習う段階ではベンゼンは「1,3,5-シクロヘキサトリエン」のことだと解釈して良いと思います(数字の間はピリオドじゃなくてコンマです)。実際には二重結合は交互ではなくて全体に渡っているという風なのですが、これは大学で化学系の学科に行くと必要になってきます。
そう言えば、この反応は「重合」と普通言うかなと思います。C2H2が「重合」したら「ポリアセチレン」、つまり白川英樹先生のノーベル賞の元になったものになってしまいます。
Quita/北村尚巳@岡谷
(5827) (Re:5824)
Re2:エチンの重合反応について
M&M
2004/07/05(月) 00:19
Quita さん、knyackiさん、こんにちは。
高校生はエチン(体系名)も、アセチレン(非体系名・慣用名)ともに習います。アセチレンは IUPAC も引き続き使うことを認めていますから、アセチレンという方が多いですね。
> そう言えば、この反応は「重合」と普通言うかなと思います。C2H2が「重合」したら「ポリアセチレン」、つまり白川英樹先生のノーベル賞の元になったものになってしまいます。
ポリマー(高分子)ができる反応でなくても、二量体、三量体ができるようなときも 重合 といってよいと思いますし、高校の教科書ではそのような使い方をしています。他に適当な用語がありますか?
(5836) (Re:5827)
Re3: エチンの重合反応について
Quita
2004/07/05(月) 23:46
M&Mさん、こんにちは。
>
>> そう言えば、この反応は「重合」と普通言うかなと思います。C2H2が「重合」したら「ポリアセチレン」、つまり白川英樹先生のノーベル賞の元になったものになってしまいます。
>
> ポリマー(高分子)ができる反応でなくても、二量体、三量体ができるようなときも 重合 といってよいと思いますし、高校の教科書ではそのような使い方をしています。他に適当な用語がありますか?
他にあるかというと、ないかなと思います。でも、どちらかというと、M&Mさんも使っているように「二量体化」、「三量体化」というように個別の言い方をしたほうが良いと思っています。
Quita/北村尚巳@岡谷
(5838) (Re:5836)
Re4: エチンの重合反応について
M&M
2004/07/06(火) 06:56
Quita さん、こんにちは。
> 他にあるかというと、ないかなと思います。でも、どちらかというと、
>M&Mさんも使っているように「二量体化」、「三量体化」というように
>個別の言い方をしたほうが良いと思っています。
志田正二編、『化学辞典』、森北出版(1981) の「重合」の項の記述を引用します。
重合 [polymerization] 高分子を生成する反応あるいは現象.もともとは、付加反応によって2つ以上の分子間に結合ができることを意味したが、近年高分子化学の発展に伴い、高分子を生成する反応を重合反応と呼ぶのが一般化した.
(引用文中の強調は引用者によるものです。)
この、「もともと」以下をどう解釈するかですね。もうそのような意味では死語になったとみるか、他に適当な用語がなければ生きているとみるかでしょう。「二量体化」、「三量体化」というように個別の言い方をすることのわずらわしさもあります。オリゴマー(オリゴメリ化) ということもできるかもしれませんが、高校の教科書には「オリゴマー」はでてきません。
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