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(3087) リンゴの香の作り方
森のくまさん
2004/01/08(木) 22:32

化学の有機のところで薬品を合わせてリンゴの香を作成しないといけないのですが、何をどのように合成するのか分かりません。もしよければ何か教えてください。


(3091) (Re:3087)
Re:リンゴの香の作り方
イルカ
2004/01/08(木) 23:41

イルカです。
 もう何年も前ですが、こんなページを作っていたのを思い出しました。
 http://www.urban.ne.jp/home/ichiya/science/chem/ester.html

           イルカ  @nifty化学の広場
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(3095) (Re:3087)
Re: リンゴの香の作り方
チビマル
2004/01/09(金) 02:29

 森のくまさん さん,こんにちは。【理科】へようこそ。高校生と思いますけど,学年も必ず書いて下さいね。

| 化学の有機のところで薬品を合わせてリンゴの香を作成しないといけないのですが、何をどのように合成するのか分かりません。

 これは #3091 でイルカさんが書かれているように,エステルを作る化学反応になります。エステルというのは,カルボン酸とアルコールを用意して,酸性にしてやることで合成することができます。

 イルカさんは Webページの中でリンゴの香りを「吉草酸アミル(ペンタン酸ペンチル) C4H9COOC5H11」と書かれていましたけど,実際に商品化された合成香料では「吉草酸プロピル C3H7COOC5H9」(分子量 144.21,沸点 156℃)が,アップル様のフレッシュなフルーツフレーバーとして食品添加物に使われています。

 これはまず,CH3-CH2-CH2-CH2-COOH 吉草酸(ペンタン酸)というカルボン酸と,CH3-CH2-CH2-OH 1-プロパノール を用意します。そしてこれらを混ぜ合わせ,軽く加熱すれば,CH3-CH2-CH2-CH2-COO−CH2-CH2-CH3 という,吉草酸プロピルのフルーティなリンゴの匂いがしてくるはずです。

# この時,分子式 C3H7COOC5H9 を書く時には,アルコールの方から記述していることに着目しておいて下さい。エステルでは必ずこのような書き方をします。


 実は,天然のリンゴの匂いには他にも数種類あります。 HCOOC5H11 ギ酸ペンチル というエステルや,HOOC-C(OH2)-(H2)-COOH リンゴ酸 というカルボン酸なんかがそうです。

 ただ,実験の際には,アルコールを用いますので,くれぐれも引火には注意して下さいね(高校の先生も同じことを言うと思うけれど)。




(3096) (Re:3095)
Re2: リンゴの香の作り方
チビマル
2004/01/09(金) 02:39

 自己レスです。リンゴ酸の構造式がうまく描けませんでした。

  H   O−H
  |  /
H−C−C=O
  |
H−C−C=O
  |  \
  OH  O−H

こんな感じになります。等幅フォントで見られて下さい。(^^;)




(3099) (Re:3095)
Re2:リンゴの香の作り方
M&M
2004/01/09(金) 10:41

チビマルさん、こんにちは。

 また揚げ足取りと思われるかもしれませんが……、

>実際に商品化された合成香料では「吉草酸プロピル C3H7COOC5H9」
>(分子量 144.21,沸点 156℃)が,

 吉草酸プロピルは C4H9COOC3H7 です。あとのほうでは
CH3-CH2-CH2-CH2-COO−CH2-CH2-CH3 と書いておられるのにどうして?

># この時,分子式 C3H7COOC5H9 を書く時には,アルコールの方か
>記述していることに着目しておいて下さい。エステルでは必ずこのような書
>き方をします。

 そんな規則ありましたっけ? C3H7COOC5H9 は酪酸ペンチル(ブタン酸ペンチル)です。化学式はカルボン酸部分が先です。英語での命名法と勘違いされているような。英語の名称はアルコールが先で、吉草酸プロピル(ペンタン酸プロピル)なら propyl pentanoate ですね。



(3106) (Re:3099)
Re3: リンゴの香の作り方
チビマル
2004/01/09(金) 13:56

 M&M さん,こんにちは。別に揚げ足取りとは思ってませんから,御安心を(笑)

| >実際に商品化された合成香料では「吉草酸プロピル C3H7COOC5H9」
| >(分子量 144.21,沸点 156℃)が,
|
|  吉草酸プロピルは C4H9COOC3H7 です。


      O
      ‖
 \/\ / \/\/ そかそか。構造式は左の通りだから,ぼけてましたね(笑)
    O       上記は酪酸ペンチルでした。


| あとのほうでは
| CH3-CH2-CH2-CH2-COO−CH2-CH2-CH3 と書いておられるのにどうして?


 やっぱり,寝る前にコメントを書くことはできるだけ控えるようにします(笑) でも,後者の書き方の方が高校生には分かりやすいかも知れませんね。前の方にカルボン酸を持って行って,全角の「−」でエステル結合を示し,その後ろにアルコール(の残基)を持って行くと,教科書の記述通りに「エステルはカルボン酸とアルコールを脱水結合……」という記述の通りに合うからです。また,単に C4H9 とか C3H7 とまとめてしまうと,それで納得して丸暗記,という生徒が多いせいでもあります。


|  そんな規則ありましたっけ?

 いーえ。これは業界で使っている「受験テクニック」に過ぎません。だって,高校生相手に,いちいち英語での命名法と日本語での命名法の違いだとかに触れる訳にいかないでしょ。

 M&Mさんの言われる通り,確かに有機化学の伝統的な規則には反した言い方です。しかし,どうしてカルボキシル基 COO の前後の炭素の数がこうなっているのかという素朴な質問を受け,高校生らが使っている教科書や図説の有機化学の項目を開いて,炭素が何個だから……という基本的な説明をする際などに,ちょっと先回りして勉強して来た子が構造式をノートに書いて来て,これと分子式が合わないといちゃもんをつけて来ることがたびたびあったからです(笑)

# 似た現象は薬学部に進学した子が,日本薬局方の記述方法に驚いて,仕方なく丸暗記しているという現実にも現れていますけれど……。




(3130) (Re:3095)
Re2: リンゴの香の作り方
森のくまさん
2004/01/10(土) 14:28

学年は高校二年です。すいませんでした。とても参考になりました。ありがとうございました。




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