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(16801) 高校 化学1 電池の記号
Apple
2006年12月26日(火) 15時27分

電池の記号が参考書によって違います。下に書き出しました。どちらが正しいのでしょうか?

マンガン乾電池
(-)Zn|NH4Claq|MnO2・C(+)
(-)Zn|NH4Claq,ZnCl2aq|MnO2,C(+)
(また、使用している記号について「・」と「,」は何を意味するのでしょうか?)

ダニエル電池
(-)Zn|ZnSO4aq‖CuSO4aq|Cu(+)
(-)Zn|ZnSO4aq|CuSO4aq|Cu(+)
(ダニエル電池のように2種類の電解液を用いる場合は「‖」でしきると書いてある参考書があるのに「|」になっている参考書があります。これはどちらが正しいのでしょうか?)



(16866)  (Re:16801)
Re:高校 化学1 電池の記号
M&M
2006年12月29日(金) 22時10分

Apple さん、こんばんは。
>電池の記号が参考書によって違います。下に書き出しました。どちらが正しいのでしょうか?
>
>マンガン乾電池
>(-)Zn|NH4Claq|MnO2・C(+)
>(-)Zn|NH4Claq,ZnCl2aq|MnO2,C(+)
>(また、使用している記号について「・」と「,」は何を意味するのでしょうか?)
どちらが正しいかといいますと、どちらも正しいです。上の電池式は電解液として塩化アンモニウム水溶液NH4Claq だけを用いたものです。下は塩化アンモニウムと塩化亜鉛の混合水溶液を用いている場合です。「・」と「,」の違いはないと思います。この場合、正極活物質はMnO2であり、炭素棒は集電体ですから、それを区別するために「・」または「,」を入れているのでしょう。MnO2|C と表記する場合もあります。「|」は一般に二つの相の界面(境界)を示す記号です。
>ダニエル電池
>(-)Zn|ZnSO4aq‖CuSO4aq|Cu(+)
>(-)Zn|ZnSO4aq|CuSO4aq|Cu(+)
>(ダニエル電池のように2種類の電解液を用いる場合は「‖」でしきると書いてある参考書があるのに「|」になっている参考書があります。これはどちらが正しいのでしょうか?)
これもどちらが正しいとは云えません。「‖」の記号は2種類の電解液の間にセパレーター(ダニエル電池で云えば素焼き板)を入れているときに用いられているようです。セパレータがあると、相界面が二つあるためとも解釈できます。
 また縦線が実線ではなく波線で表される場合もあり、1本の場合は「混合し得る溶液間の液絡(ブリッジ)」、2本の場合は「液間電位が除かれていると仮定される液絡(ブリッジ)」を表しています。



(16891)  (Re:16866)
Re:高校 化学1 電池の記号
Apple
2007年01月01日(月) 23時56分

>「‖」の記号は2種類の電解液の間にセパレーター(ダニエル電池で云えば素焼き板)を入れているときに用いられているようです。セパレータがあると、相界面が二つあるためとも解釈できます。

皆さんあけましておめでとうございます。

M&Mさん、詳しい説明ありがとうございます。

「|」でダニエル電池を表している参考書には図があり、電解液を分割する部分を「隔膜」としているのですが、この「隔膜」というのは「‖」の場合の「セパレータ(例えば素焼きの板)」とは異なるものと理解するべきなのでしょうか?



(16908)  (Re:16891)
Re:高校 化学1 電池の記号
M&M
2007年01月02日(火) 19時11分

Apple さん、おめでとうございます。
>「|」でダニエル電池を表している参考書には図があり、電解液を分割する部分を「隔膜」としているのですが、この「隔膜」というのは「‖」の場合の「セパレータ(例えば素焼きの板)」とは異なるものと理解するべきなのでしょうか?
 隔膜とセパレータは同じことです。ダニエル電池は硫酸亜鉛溶液と硫酸銅溶液が容易に混合しないように隔膜(セパレータ)を入れるのが特徴です。したがって、この隔膜で仕切られた溶液-溶液界面を「|」で表すか。「‖」で表すかという問題ですが、これは微妙です。
 電池についての規則は基本的に1953年にストックホルムで開かれた第17回UPAC(国際純正・応用化学連合)で決められましたので、「ストックホルム規約」ともよばれます。その後改訂がなされたかどうかよく知りませんが、アメリカ化学会誌 J.Am.Chem.Soc.,82,5517(1960) にその内容が掲載されているようです。図書館はいま休館中ですから、原文を調べることはできません。1966年に刊行された『化学便覧 基礎編II』(丸善)によると、
  「|」は電極-溶液間、「‖」は溶液-溶液間の界面をあらわす。
ことになっています。それに従えば、溶液-溶液間の界面は隔膜を用いようと、塩橋を用いようと、いずれの場合も「‖」の記号を用いることになりますが、その後改訂された『化学便覧 基礎編II』には、「‖」についての記述がありません。その代わりに前に紹介した波線の「|」と「‖」が加わっています。IUPAC の規則が改訂されたのかどうかはいま私には分かりません。
 そういう訳で、高校教科書だけでなく、専門書でも必ずしも統一されていませんので、Apple さんが「どちらが正しいの?」と悩むことでもないと思います。誤解を生まない限り、どちらでもよいのではないでしょうか。



(16911)  (Re:16908)
Re:高校 化学1 電池の記号
Apple
2007年01月02日(火) 23時42分

M&Mさん。回答ありがとうございます。M&Mさんは化学にとても詳しいのですね。今回の回答には驚きました。他にもこの掲示板には詳しい人が多く、また回答も真摯なのでいつも感謝しています。

M&Mさんが仰るとおり、今の段階で私が気にする必要はないと思いました。自分で電池のセパレータを表記する時は「‖」を使用し、セパレータが「|」で表されていると思われる場合にはその都度前後から合理的に判断していくようにします。

改めてありがとうございました。





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