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(16162) 分解の質問
Aさん
2006年11月02日(木) 19時09分

中学二年生です。
最近、理科の実験で「炭酸水素ナトリウムを加熱」
という実験と「水に電流を流して分解」という
実験を行いました。

(質問)
火力や電力を使い物質を分解できることは
分かりましたが、原子力(核エネルギー)を利用して、物質を分解することは可能なのでしょうか?



(16164)  (Re:16162)
Re:分解の質問
X
2006年11月03日(金) 09時40分

>(質問)
>火力や電力を使い物質を分解できることは
>分かりましたが、原子力(核エネルギー)を利用して、物質を分解することは可能なのでしょうか?


火力を使う分解は熱分解です。
だから、核エネルギーでも熱分解できるでしょう。

ですが、α線を照射することで元素の種類が変わってしまう事もあるようなので、何ができるか分からないということがあるかもしれないです(化学反応以上に)。



(16191)  (Re:16162)
Re:分解の質問
じょうたろう
2006年11月05日(日) 10時15分

原子力、核エネルギーの利用というと、特徴的なのは、放射線の利用が考えられます。
放射線とは、
アルファ線
ベータ線
ガンマ線
X線
中性子線

のことですが、これらを照射した物質は、電離したり元素自体が変換されるなど色々な変化を起こします。
しかし、放射線は人体に有害であるために、一般的には物質の分解目的では用いないでしょう。

物質を熱や電離で分解しても、物質の熱や電離状態は解除できますが、例えば、中性子線を当てた場合には、その物質自体が放射線を発生することもあり、扱いにくい放射性物質を増やしてしまうことになります。

ですから、原子力で物質を処理することは、研究用や一部の医療など、それ以外では実現できない効果のみに限定されています。



(16196)  (Re:16162)
Re:分解の質問
公孫硫
2006年11月05日(日) 11時58分

Aさん 様

>分かりましたが、原子力(核エネルギー)を利用して、物質を分解することは可能なのでしょうか?

原子力といった時、その中身には3種類あります。

1つは、核反応に伴って発生する熱を利用するものです。例えば原子力発電では、ウランの核分裂という原子核反応の際に発生する熱を利用しています。これは、Xさんのおっしゃるように、単なる熱で、放射線は全く利用していませんから、加熱と同様に、熱分解に利用することができます。

もう1つは、原子核反応に伴って発生する放射線を利用するものです。じょうたろうさんが放射線の種類を挙げてくださいましたが、「分解」に利用できるものは、アルファ線、ベータ線、中性子線、などでしょう。これらは、原子核と直接反応して、元素の変換を引き起こします。学校では「元素(原子)は反応しても変化しない」と習ったと思いますが、これは「化学反応(私たちの身の回りで起こっている反応)」の場合であって、放射線による特殊な反応では、元素が変換されます。これは、ある意味で分解であるといっても良いでしょう。例えば、北朝鮮が核実験に使ったと考えられているプルトニウムという元素は天然には存在しません。これは、ウランという(天然に存在する)元素に中性子線を当てて作るのです。このような元素の変換反応は、医療用などに使われる特殊な原子を作るのに使われています。

原子力の働きの最後は、放射線の電離作用といわれるものを利用したものです。これは、放射線が通ると、その周りの物質がイオン化する(中学生だとイオンを習っていないのか。つまり、電気を帯びる、という意味です)という性質を利用したものです。この時に、その物質が元に戻ればいいんですが、時には、イオン化してしまったまま元に戻らず、分解してしまうことがあります。レントゲンは体の中を見るのに便利な方法ですが、レントゲンに使うX線には弱り電離作用があります。そのため、1年間で取れるレントゲンの量は決まっています。それ以上取ると、電離作用のために遺伝子などが分解し、がんになる可能性があるからです。逆にこの性質を利用して、殺菌や発芽の防止に使われています。袋に入ったままのものを、加熱もせずに殺菌できる(ばい菌が生きていくために必要な分子を分解してしまう)からです。

 公孫硫





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