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(11099) 内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
M51
2005年07月02日(土) 13時45分

 初めまして。私は大学2年生のM51という者です。よろしくおねがいします。

 今回質問させていただきたいのは、「内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮」についてです。教科書のアトキンス物理化学要論を読んでみると・・・

 内部エネルギーについては、
「内部エネルギーUは、ΔU=w+q、という関係式を持つ。wは仕事のかたちで、qは熱のかたちで系に流入したエネルギーとする。」「w=pΔVである」

 エンタルピーの導入については、「系で化学反応が起こるとき、体積膨張が起こることがある。この時、系は体積膨張のため系に加えた熱の一部を使って仕事をしなければならない。そのため、内部エネルギーUの増加は系に加えた熱と等しくならない。」「そこで、膨張を考慮したエンタルピーHを導入する。H=U+pVである。」

・・・・ということがわかりました。これらの話の流れはできていると思います。しかし理解できないことがあります。それは、Hを導入する時の「Uは膨張を考慮していない」と考え方です。w=pΔVΔU=w+qwなので、Uは膨張を考慮している、と思ってしまうのですが・・・違うのでしょうか?H導入時に考慮しなければならなかった膨張と、w=pΔVの式が表現する膨張は違うものなのでしょうか?

自分なりに何度も教科書を読んで、熱力学の参考書もいろいろ読んだのですが、どうしてもこの点が分かりません・・・説明していただけるととてもありがたいです。ぜひよろしくお願いいたします!



(11100)  (Re:11099)
Re:内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
伊笠 摩耶
2005年07月02日(土) 21時31分

千原先生の訳されたアトキンスの本でも、やはり誤解される方がいるんですね。

 次元解析(dimensonal analysis)さえきちんとおやりになれば、お持ちになったような疑念はたちまちに解消すると思うのですが・・・
 ΔU=q+qw
なんて式は土台からして成立しないんですが,大学二年生の方ならお分かりでしょう?


> 初めまして。私は大学2年生のM51という者です。よろしくおねがいします。
>
> 今回質問させていただきたいのは、「内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮」についてです。教科書のアトキンス物理化学要論を読んでみると・・・
>
> 内部エネルギーについては、
>「内部エネルギーUは、ΔU=w+q、という関係式を持つ。wは仕事のかたちで、qは熱のかたちで系に流入したエネルギーとする。」「w=pΔVである」
>
> エンタルピーの導入については、「系で化学反応が起こるとき、体積膨張が起こることがある。この時、系は体積膨張のため系に加えた熱の一部を使って仕事をしなければならない。そのため、内部エネルギーUの増加は系に加えた熱と等しくならない。」「そこで、膨張を考慮したエンタルピーHを導入する。H=U+pVである。」
>
>・・・・ということがわかりました。これらの話の流れはできていると思います。しかし理解できないことがあります。それは、Hを導入する時の「Uは膨張を考慮していない」と考え方です。w=pΔVΔU=w+qwなので、Uは膨張を考慮している、と思ってしまうのですが・・・違うのでしょうか?H導入時に考慮しなければならなかった膨張と、w=pΔVの式が表現する膨張は違うものなのでしょうか?
>
>自分なりに何度も教科書を読んで、熱力学の参考書もいろいろ読んだのですが、どうしてもこの点が分かりません・・・説明していただけるととてもありがたいです。ぜひよろしくお願いいたします!

妄言多謝
いかさ まや



(11103)  (Re:11100)
(無題)
m51
2005年07月03日(日) 03時15分

伊笠摩耶様、御回答どうもありがとうございました! 

>>・・・ということがわかりました。これらの話の流れは理解できていると思います。しかし理解できないことがあります。それは、Hを導入する時の「Uは膨張を考慮していない」と考え方です。w=pΔV、ΔU=w+qwなので・・・ 
>> 

すみません最後の式ΔU=w+qwは書き間違いです!正しくはΔU=w+qです。大変失礼いたしました。間違っている式だと単位が右辺の第1項と第2項で違いますので成立しません。(ご指摘の次元解析とは、この単位の確認のことで良かったのでしょうか?) 

ΔU=w+qの式だったら両辺共に単位はジュールJで大丈夫だと思います。 

 投稿後、ずっと考えていたのですが、少しだけ分かってきたような気がしてきました。以下、今の時点で私が理解した気になっていることを書きますので、もしよろしければ、この考え方が間違っているかどうかを教えていただけないでしょうか・・・? 

『ΔU=w+qの式中のwは、外界が系に対して行った仕事である。wはw=−pΔvという関係式を持つが、そのpとは外圧のことである。以下では、外圧一定とする。外圧をPexと書くようにすると、ΔU=−PexΔV+qである。系が状態aから、状態bに変化する時、内部エネルギーの変化は、ΔU=−PexΔV+qの式より、 
   UbーUa=−Pex(Vb−Va)+q 
qを左辺に置くと、 
   q=UbーUa+Pex(Vb−Va) 
    =(Ub+PexVb)−(Ua+PexVa)・・・(1) 
ここで、U+PexV=Hと置き換える。そしてこのHをエンタルピーと名づける。つまり、 
         Ub+PexVb=Hb・・・(2) 
         Ua+PexVa=Ha・・・(3) 
と置き換えると、先ほどの式(1)は 
   q=Hb−Ha 
となる。  

(2)(3)のように、U+PexV=Hは状態量であるといえる。この式中のPexVは状態量であり、この状態にある限りはある一定値を示す。 

ΔU=−PexΔV+qの式では、Uは状態量であるが、−PexΔVとqは状態量ではない。 

Ua+PexVa=Haの式中のPexVaは、ある状態aにおける体積と圧力の積であり、この式自体は膨張や収縮は全く考慮していない・・・エンタルピーはあるひとつの状態が持つ一定値である。 

教科書に書いてある「Hは膨張や収縮を考慮したもの」というのは・・・状態変化がある時、q=(Ub+PexVb)−(Ua+PexVa)=Hb−Haのように、U+PexV=Hと置き換えると、膨張や収縮を考慮したをシンプルに表現できる。だから「Hは膨張や収縮を考慮したもの」である。』 

・・・ということでしょうか?物理化学苦手なので自分の考えてることを上手く説明できません・・・というよりまだよく理解できていません・・・すみません。エンタルピーや内部エネルギーを考えていると、Δが付かない式(ある状態を表現する式)と、Δが付かない式(ある状態から別の状態への変化を表現する式)がどうもごちゃごちゃしてきて混乱してしまうのです・・・状態量も混乱します・・・せっかくアトキンスという素晴らしい教科書を使っているのに理解力がなさすぎです・・・(でもアトキンスは本当に素晴らしい教科書だとしみじみ思います!!)。間違いの御指摘や、正しい説明などをしていただけたらありがたいです。お願いいたします!
 



(11110)  (Re:11103)
Re: (無題)
YASU
2005年07月03日(日) 05時34分

11103へのコメント
M51さん おはようございます、YASUです

横から失礼します。


>『ΔU=w+qの式中のwは、外界が系に対して行った仕事である。wはw=−pΔvという関係式を持つが、そのpとは外圧のことである。以下では、外圧一定とする。

ここは、考え方が違っている可能性があります。

「w=−pΔv」だから「外圧一定」

ではなくて、

「外圧一定」だから「w=−pΔv」なのです。

原因と結果が逆のように理解されているのならば、それは間違いです。

変化量を微分で考えると判りやすくなります。なぜなら

W=PV

の時、

dW=PdV+VdP

となり、外圧一定、つまりdP=0の時に限って、

dW=PdV

となるからです。



>と置き換えると、先ほどの式(1)は 
>   q=Hb−Ha 
>となる。  

これは、#11105で書いたdQ=dHと全く同じことで、考え方は間違っていません。

ただ、#11105で書いたように計算する方が、楽だとは思いませんか?



>(2)(3)のように、U+PexV=Hは状態量であるといえる。この式中のPexVは状態量であり、この状態にある限りはある一定値を示す。 

状態量の理解は正しいです。経路に依らず、その状態では一意に決まるものが状態量です。
HaからHbへ変化する時の熱量の変化分ΔHは、dHを状態aから状態bまで積分することになります。
状態量を用いる利点の1つとして、状態aから状態bへの変化を積分する時、経路積分を使わずにすむメリットがあるのです。

ついでに言えば、Qは状態量ではないのですが、S=Q/Tと定義されたSを使えば、Sは状態量になるのです。このような便利な状態量Sをエントロピーと言います。


>教科書に書いてある「Hは膨張や収縮を考慮したもの」というのは・・・状態変化がある時、q=(Ub+PexVb)−(Ua+PexVa)=Hb−Haのように、U+PexV=Hと置き換えると、膨張や収縮を考慮したをシンプルに表現できる。だから「Hは膨張や収縮を考慮したもの」である。』 


ここも、ちょっと気になります。

『「Hは圧力変化が無いこと考慮したもの」である』

が本質であって、等圧条件では膨張や収縮が発生し、それを許容して考える必要があり、結果として

『「Hは膨張や収縮を考慮したもの」である』

だと考えるべきかと思います。


詳細は、#11105を参照ください。


-=-=--=-=-=-=-=
YASU



(11141)  (Re:11110)
Re2: (無題)
YASU
2005年07月04日(月) 21時11分

11110へのコメント
M51さん、YASUです

M&Mさんの指摘を受けて、訂正します。

以下は、完全に削除してください。お願いします。

>変化量を微分で考えると判りやすくなります。なぜなら

>W=PV

>の時、

>dW=PdV+VdP

>となり、外圧一定、つまりdP=0の時に限って、

>dW=PdV

>となるからです。


とんでもない勇み足をしました。失礼しました。
ただ、それ以外の部分には影響が無いと思いますので、そのままにしておきます。

dWと言うのは、仕事の変化ですから、Vが一定と言うのは仕事をしないと言うことですね。
だから、定積条件ではdW=0と言うわけです。

従って、Wは、P−V曲線で起点と終点が示す領域を積分して求まるものですから、M&Mさんのご指摘のように、

  V1
W=∫PdV
  V2

で求まるものですね。

だから、W=PV と言うのが正しくないわけです。だから、dW=PdV+VdPが正しくないと言うことです。

念のために、Z=XYが正しいとき、dZ=XdY+YdXは正しいのです。

おかしなことで悩ませてしまって、申し訳ありません。


-=-=--=-=-=-=-=
YASU



(11102)  (Re:11099)
Re: 内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
YASU
2005年07月03日(日) 02時51分

11099へのコメント
M51さん こんばんは、YASUです

熱力学は、熱の出入りに伴う仕事の変化を扱うものですね。

だから熱力学の第一法則を示す

dU=dQ+dW

が基本となります。


1)定圧変化を扱う時はエンタルピーを持ち出すと便利なことが多いのは、
・仕事の変化:dW=−PdV
・熱量の変化:dQ=dH(エンタルピー変化)
となるからです。

つまり、定圧変化では、エンタルピーと言う状態量を使えば、熱量変化を熱力学的に計算しやすいから便利になると言うことです。

アトキンスで引用された部分は、このことを言っているのだと思います。

これは、dU=dQ+dW から導くことができます(導出は次の発言で...まずご自分でやってみましょう)。


一方、熱量の変化が内部エネルギーの変化となるのは、等積変化の場合です。

2)等積変化では、
・仕事の変化:dW=0(体積が変わらないので当然!)
・熱量の変化:dQ=dU

1)と2)は対称性がありますね。


ちなみに、

3)等温変化では、
・仕事の変化:dW=dF(ヘルムホルツの自由エネルギー変化)
・熱量の変化:dQ=TdS(これはエントロピーの定義そのものですね)

4)断熱変化では、
・仕事の変化:dW=dU(仕事の変化は内部エネルギー変化全体になります)
・熱量の変化:dQ=0(熱量の流入流出が無いのだから当然こうなります)

>・・・・ということがわかりました。これらの話の流れはできていると思います。しかし理解できないことがあります。それは、Hを導入する時の「Uは膨張を考慮していない」と考え方です。

熱力学は、熱機関を工学的に改良するために作られた理論です。与えられる熱から、如何に効率よく仕事を取り出すか?と言う工学的な理論体系なんです。ですから、計算しやすいように、そして現象を理解しやすいようにエンタルピーなどの状態量が考案されたのです。

上のM51さんの考え方は、逆なんです。
膨張を考慮しないで良い場合つまり等積変化では、熱量変化は内部エネルギー変化になり、
膨張を考慮しなければならない、つまり等圧変化では、便利なエンタルピーを導入したと言うことになります。

エンタルピーを導入すると、なぜ膨張を考慮しなければならないのか?と悩んでも意味が無いのです。

>「内部エネルギーUは、ΔU=w+q、という関係式を持つ。wは仕事のかたちで、qは熱のかたちで系に流入したエネルギーとする。」「w=pΔVである」

ここで、wとqは変化量の筈です。そうでないと意味が合いません。

w=pΔV
これも同様に、wは変化量でなければなりません。
さらにこれは定圧条件での話です。なぜなら、等積変化条件では、
w=VΔp
となるのです。これはお分かりですね。

ΔU=w+qwなので、
これは、そもそも間違っていますよ。理由は伊衣 摩耶さんの説明を参考になさってください。


熱力学では、S(エントロピー)、P(圧力)、V(体積)、T(温度)と言う状態量を変数として、U(内部エネルギー)、F(ヘルムホルツの自由エネルギー)、G(ギブスの自由エネルギー)、H(エンタルピー)をといった状態量を記述してみると、判りやすくなるかも知れません。


    U
  S−−−V
  |   |
 H|   |F
  |   |
  P−−−T
    G

四角形の4つの頂点に変数となる状態量を置き、これら4つのうち2つが変化するとき変化する状態量を四角形の辺の横に書いてみました。

これは、以下の4つの式を示しています。

dH= TdS+VdP
dU= TdS−pdV
dF=−PdV−SdT
dG= VdP−SdT


いずれにせよ、非常に多くの状態量が出てくるので、これらを簡単な式で一度に定式化することはできません。今知りたい状態量の変化について、変数として、せいぜい2個までに注目して定式化します。

すると非常に多くの式が出てきます。それぞれの式は、ある特定の条件において正しいのであって、条件が異なれば正しくありません。

丸暗記では熱力学は理解できません。条件をしっかりおさえながら、自分で式を導出する練習をすれば、な〜んだ、そういうことか!と理解できるようになりますよ。


-=-=--=-=-=-=-=
YASU



(11104)  (Re:11102)
Re: 内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
M51
2005年07月03日(日) 03時32分

YASU様、こんな夜中にご丁寧に説明してくださって本当にありがとうございます!さっきまで伊笠摩耶様に返信をするために、返信作成のページを開いたままずっと考えこんでいたのでYASU様の御回答に気づくのが遅れてしまいました・・・すみません。YASU様のご説明でかなりモヤモヤが晴れました!ありがとうございます!今からYASU様のご説明をじっくり考えてみたいので、すみませんがまた後ほど改めて返信させてください。まだ自分の考えがまとまっていないもので・・・すみません。



(11105)  (Re:11102)
Re2: 内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
YASU
2005年07月03日(日) 04時07分


約束なので、ちょっとだけ...

1.dU=dQ+dW ・・・ (1)

これが基本です。
dUをΔUと書いても良いのですが、微分と言う数学的な理解を正しく行うためにもdUとしたほうが良いと私は思うので、このような表記にします。

ここで、エントロピーSの定義から、dS=dQ/Tなので、dQ=TdS

圧力Pで体積Vだけ変化した時の仕事Wは W=PV となりますね。
では、仕事の変化はどうなるでしょうか?

dW=PdV+VdP

です。

ここで、圧力一定の条件があれば、dP=0だから、dW=PdVとなります。
一方、体積一定の条件があれば、dV=0だから、dW=VdPとなります。
dWは、条件が変わればこのように変化するのです。

それでは、いくつかの条件下で、dQやdWがどのように表現されるか計算してみましょう。


2.等圧変化の条件下では...
等圧変化つまりdP=0なので、dW=PdV

熱を受取り、仕事をする系に着目すると、仕事をすれば、その分のエネルギーが系の外へ与えられるのだから系が内部に保持しているエネルギーはその分だけ減るので負号をつけて、

dU=dQ−PdV

∴dQ=dU+PdV ・・・(2)

ここで、エンタルピーH=U+PVの定義から、エンタルピー変化dHは、以下のようになります。

dH=dU+PdV+VdP

定圧条件があるので、dP=0なので、

dH=dU+PdV ・・・(3)

式(2)と(3)から、dQ=dH となり、熱量変化はエンタルピー変化と等しいことが判ります。

繰り返しですが、この結果になるようにエンタルピーが考案されたと考えると、悩まずに済みます。

基本の式(1)から、条件によって異なる結果となる例として、等積条件下で、dQとdWがどうなるか見てみましょう。


3.等積変化の条件下では...
等積変化では、系の体積が変化しないので、系の外へ仕事をしません。
だから、dW=0

式(1)にdW=0を代入すれば、dU=dQ

つまり、体積が変化しない時は、系に流れ込んだ熱量は全て内部エネルギー変化として蓄えられます。


では続けて、等温変化の条件下、断熱変化の条件下で、dWとdQがどう表現されるのか見てみましょう。


4.等温変化の条件下では...
等温変化なので、dT=0
エントロピーの定義から、dQ=TdS

式(1)から

dW=dU−dQ
  =dU−TdS ・・・(4)

ヘルムホルツの自由エネルギーの定義:F=U−TS からFの変化dFは、以下のようになります。

dF=dU−TdS−SdT

ここで、dT=0でしたので、

dF=dU−TdS ・・・(5)

式(4)と(5)から、dW=dF となります。

つまり、等温変化の条件下では、系が行う仕事はdFと等しいことが判ります。
...と言うか、このようになるようにFが導入されたと考えると良いでしょう。

外から熱を与えられ、温度一定の条件下では、系が獲得した内部エネルギー全てを仕事として取り出すことが出来ないと言うことを式(5)は示しています。仕事として取り出せるのは、内部エネルギーからTdSを引いた分だけしか、仕事として取り出せないのです。仕事として取り出すことのできないTdSは、束縛エネルギーです。dSが示すように、内部エネルギー変化のうちエントロピー変化の分は、取り出せないものとして諦める必要があることが、この式から明らかです。熱機関の限界を示しているわけです。

一方で、dFは人間が自由に取り出せるエネルギーなので、「自由エネルギー」と言う名前が付いているのですね。


5.断熱変化の条件では...
断熱変化なので、熱の出入りはありません。だからdQ=0

従って、式(1)は、

dU=dW

つまり、断熱変化の条件では、内部エネルギー変化は全て仕事の変化として取り出せることになります。その逆に、系に仕事をすれは、全て内部エネルギー変化として蓄えることが出来ることを意味します。

以上、簡単に紹介した一例のように、熱力学において数式から何かを考える時、その式が成立する時の条件が何であるかを、正しく把握しておさえる必要があります。

逆に、条件を正しくおさえることが出来れば、簡単な計算(偏微分など)で有る程度は色々な現象を正しく理解し、数式を導出することが出来ます。数式の導出は、理解を助けることにもなります。


最後に、M51さんが勘違いされた点は、状態量の次元(ディメンジョン)を理解すれば判ると思うので、それについて次の発言でさらりと触れておきます。


-=-=--=-=-=-=-=
YASU



(11111)  (Re:11105)
Re: 内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
M51
2005年07月03日(日) 08時16分

YASU様、おはようございます。夜中から早朝まで貴重なお時間を割いて説明していただきすみません!本当にありがたいです!

エンタルピーは工業において様々な条件下で反応を行う場合に、計算と現象を理解しやすくするために導入されたのですね・・・なるほど!そう考えると納得できました。私は考える順番が全く逆だったのですね。化学を勉強してると私はどうも、式が先にあると考えてしまいがちなようです・・・まず、工業などに必要な現象から考えて、それを分かりやすくするために用いるのが様々な式なのですね。大切なのは実際に起こす(起こる)現象で、それを考えないで式の暗記してもだめなんですね。昔の研究者達の気持ちを想像して、「この現象をどうにかうまく表現する式を作れないものだろうか、こんな関係式があったら便利だから、導いてみよう」と思いながら勉強すると、式が理解しやすくなるかも、と思いました(笑)。

定圧条件ではW=pdV、等積条件ではW=VdP、というのも理解しました。ありがとうございます。それから、Hの導入についてもう少しお聞きしたいのですが、

「もし定圧でなければ、dP≠0なので、
dH=dU+VdP+PdVVdPの項が消えず、これにdU=−PexdV+dQ を代入しても、dH=−PexdV+dQ+VdP+PdVという複雑な式になってしまい、せっかくHを導入した意味がなくなる。」「だからあくまでも、エンタルピーは定圧条件下で考える。そうすれば、定圧下で系に熱のかたちで流入したエネルギーdQを、dQ=dHというシンプルな形で表現できる

・・・という考え方でよいのでしょうか?

それからdF=dU−TdS=dWの式についてもお聞きしたいです。

この式から、「等温条件では、系の中の分子の乱雑さを示すSが大きくなるほど、分子を束縛しておく束縛エネルギーが大きくなる」ということで良いのでしょうか?

また、式変形すると、dU=dF+TdSですが、これは「等温条件では、内部エネルギーの変化は、自由エネルギーの変化と束縛エネルギーの変化に使われる」ということでしょうか?

ヘルツホルムの自由エネルギーについては、なぜかアトキンスでは説明されていないみたいで・・・大学の授業でもなぜか習っていません・・・ネットでさきほど付け焼刃の知識を得てきました。このFを導入すると、変数となる状態量の四角形の図が作れて、より体系的に理解できるようになるので、もっとFについて勉強してみようと思います。この四角形のおかげで、状態量の関係がかなり理解しやすくなりました!ありがとうございます!

でもこの四角形で、Sが4つの頂点にくるのがちょっと不思議な感じがします。V、P、Tなどよりも、U、H、F、Gと同じ世界に入れたくなるのです・・・。Sの導入は工業的にはどのような意義を持っていたのでしょうか?乱雑さを示すということは知っていますが、Sの概念は教科書の中で突然登場した感じがしています・・・どうも馴染めません。

ついでに・・・G導入の意義は、「G導入により、定圧・定温下で全エントロピーを系の性質のみで表現できるようになった」ということでいいのでしょうか?もし他にG導入の意義がありましたら、ぜひ教えていただきたいです。

長文、しかも質問だらけですみません・・・また貴重なお時間をかなり割いていただくことになってしまいそうです・・・私の方は急いでないので、YASU様のご都合の良い時にでもよろしくお願いいたします!



(11125)  (Re:11111)
Re2: 内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
YASU
2005年07月03日(日) 20時11分

11111へのコメント
M51さん こんばんは、YASUです

私が熱力学を勉強していた時、色々と新しく習う状態量の物理的な本質を知りたい、これが判らなければなんとも納得できない...と、いつも引っかかっておりました。

ある時、熱力学発達の歴史を知る機会があって、これら状態量の物理的本質は当時の研究者たちは知らなかったこと、知るための理論が無かったこと、但しこれを知らなくても現象論的に考えることで特に理論の破綻は無く、工学的に十分応用されていたことを知ったのです。

エンタルピーの導入について紹介したように、基礎理論に基づき最初にHありきではなく、現象論的にHを導入すると理論がすっきりと判りやすくなると言う逆の発想を知ったのもの、歴史を学んだ時のことでした。

別の例を紹介しますと、エントロピーの物理的な本質は、当時は誰も知るよしも無かったのです。
今では、乱雑さと言う概念で理解できますが、この理解に至るには、統計熱力学や分子運動論の登場を待たねばなりませんでした。

当時は、熱力学第二法則は、どう考えてもそう言うものらしい、と言う認識で、これが正しいと認めると色々な現象をすっきりと説明できるので、法則化されていたのです。当時は、熱は温度の高い方から低い方へ一方通行でしか流れないと言うものです。dS≧0ですね。

ところが、分子運動論や統計熱力学の登場で、エントロピーには乱雑さと言う概念が与えられたようです。温度とは分子運動の激しさで説明され、高い温度(Th)の気体と低い温度(Tl)の気体を混ぜると、双方の分子がランダムに混ざって、平均温度が下がり、そこで平衡となり有る温度(Tm)で落ち着くと言うのは、ビジュアルに理解できますね。しかしエントロピーが考案された時はこのような理解は誰もできなかったのです。

熱の移動が一方通行であると言うのが、熱力学の範疇での理解です。エントロピーと乱雑さを結びつけるのは、熱力学の範疇では出来ないと言うことは、今後何かに躓いたときに思い出すと良いかも知れません。

ただ、今我々はエントロピーの物理学的意味を知っています。だからこれを利用すると便利ではあります。

例えば、きれいに片付いた部屋にゴミ箱のゴミをまき散らした時と、グチャグチャにとっちらかった部屋に同じゴミ箱のゴミをまき散らした時とでは、どちらが乱雑さの度合いが増加したと感じるでしょうか?
最初からグチャグチャの部屋では、さほど乱雑になったとは感じませんよね(^^)v
エントロピーは、この「感覚的な乱雑さの増加度合い」を反映させたものなのですよ、実は...

こう考えると、dS=dQ/T を直感的に理解できませんでしょうか?

詳しくは、以前以下で説明したことがありますので、参考になさってください。
http://bbs.com.nifty.com/mes/cf_wrentC_m/FCHEM_B022/wr_sq=FCHEM_B022_0000000143

つづく...

-=-=--=-=-=-=-=
YASU



(11130)  (Re:11125)
Re3: 内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
YASU
2005年07月03日(日) 21時59分

11125へのコメント
M51さん こんばんは、YASUです

>詳しくは、以前以下で説明したことがありますので、参考になさってください。
http://bbs.com.nifty.com/mes/cf_wrentC_m/FCHEM_B022/wr_sq=FCHEM_B022_0000000143

上記の説明は、これまでの話と矛盾するように感じられると思います。
はい、矛盾しています。

ただエントロピーを直感的に理解すると言うお題目で書いていますので、そこは目をつぶってください。
エントロピーを乱雑さとして理解するのは、歴史的に先のことかと思われます。

クラウジウスが、このようなイメージを持っていたかどうかは判りません。そこは私の勝手な解釈で
、直感的な理解の仕方の一例と言うことですので、ご容赦ください。


-=-=--=-=-=-=-=
YASU



(11133)  (Re:11125)
Re: 内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
M51
2005年07月03日(日) 23時11分

YASU様、本当にどうもありがとうございます!

>>dF=dU−TdS=dW
この式は熱力学の式ですので、既に述べたように、分子運動論(乱雑さ)を無理矢理導入して式を理解するのは、少々無理があります。
>>

分子運動論では乱雑な動き、熱力学では方向性が決まった熱の動きを扱うので、簡単には結び付けられないのですね・・・私はそれを考慮せず両者は完全に結び付けられるもの、と思っていました。そういえば、今物理化学の授業とは別の授業で、伝熱工学の基礎的なところを学んでいるのですが、伝熱では、熱の性質である、方向性が決まった動きに注目している感じがします。温度差を無くすために、熱は高温部から低温部へと方向性を持って動く、という感じです。

簡単には結び付けられない分子運動論では乱雑な動きと、熱力学では方向性が決まった熱の動きを結び付けているなんて、エントロピーはやっぱり不思議な感じがします。でも現象論から考えていけば理解しやすくなりますね!

>G導入の異議については、また別に説明してみようと思いますが、一言だけ...
>
>等温等圧条件下では、Gが極小(dG=0)になるところが平衡点です。
>これは、相平衡や化学平衡反応など多くのケースに適用可能なので便利です。
>
>ちなみに、等温等積条件下で、平衡になる時、Fが極小(dF=0)となります。
>そして、断熱条件下では、Sが極大(dS=0)となると平衡になります。
>

Gのお話楽しみにしています!等温定圧条件下でのdG=0と平衡の関係はたぶん理解していると思うのですが、等温定積条件下でdF=0となる場合と、断熱条件下でdS=0となる場合にも平衡状態になる、ということは知りませんでした。自分でもその理由を考えてみようと思います!それから、GとFは、等温等圧条件下か、等温等積条件下で導入された、ということ以外に何か違いがあるのでしょうか?式の形も似ているからそっくりな感じがします。両者が示す「自由」は同じ意味なのでしょうか?「自由」は分子運動論側のお話ですよね。乱雑=自由という認識で良いのでしょうか?

またもや質問だらけになってしまいました・・・でもおかげさまでイメージがつかめずバラバラに認識していた状態量の関係などの位置が、見えてきました。それに、化学にどんどん興味がわいてきています。本当にありがとうございます!


PS.明日月曜日は残念ながら都合により返信することができません・・・すみません。でも次回のご回答も楽しみにしています。よろしくお願いします!



(11126)  (Re:11111)
Re2: 内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
YASU
2005年07月03日(日) 20時12分

11111へのコメント
M51さん こんばんは、YASUです

>それからdF=dU−TdS=dWの式についてもお聞きしたいです。

>この式から、「等温条件では、系の中の分子の乱雑さを示すSが大きくなるほど、分子を束縛しておく束縛エネルギーが大きくなる」ということで良いのでしょうか?

この式は熱力学の式ですので、既に述べたように、分子運動論(乱雑さ)を無理矢理導入して式を理解するのは、少々無理があります。

私は諦めた方が良いと思います。むしろ...


>また、式変形すると、dU=dF+TdSですが、これは「等温条件では、内部エネルギーの変化は、自由エネルギーの変化と束縛エネルギーの変化に使われる」ということでしょうか?

この理解が熱力学らしい理解となると思います。
蓄えられた内部エネルギーのうち、取り出せるエネルギーがdFと言うことですね。


>ヘルツホルムの自由エネルギーについては、なぜかアトキンスでは説明されていないみたいで・・・大学の授業でもなぜか習っていません・・・ネットでさきほど付け焼刃の知識を得てきました。このFを導入すると、変数となる状態量の四角形の図が作れて、より体系的に理解できるようになるので、もっとFについて勉強してみようと思います。この四角形のおかげで、状態量の関係がかなり理解しやすくなりました!ありがとうございます!

実際問題、ヘルムホルツの自由エネルギーが、それだけで使われることは少ないように思われますが、
全体を理解する上では、役に立つと思われるので、敢えて紹介しました。

****

G導入の異議については、また別に説明してみようと思いますが、一言だけ...

等温等圧条件下では、Gが極小(dG=0)になるところが平衡点です。
これは、相平衡や化学平衡反応など多くのケースに適用可能なので便利です。

ちなみに、等温等積条件下で、平衡になる時、Fが極小(dF=0)となります。
そして、断熱条件下では、Sが極大(dS=0)となると平衡になります。

簡単な計算で説明できますので、また後ほど紹介します(多分来週...)
状態量Xの極小は、1次微分が0で、2次微分が正となる時です。
状態量Xの極大は、1次微分が0で、2次微分が負となる時です。


-=-=--=-=-=-=-=
YASU



(11137)  (Re:11111)
Re:内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
M&M
2005年07月04日(月) 13時12分

M51さん、こんにちは。
 次の部分についてはYASUさんが直接お答えになってないようですので。

定圧条件ではW=pdV、等積条件ではW=VdP、というのも理解しました。ありがとうございます。それから、Hの導入についてもう少しお聞きしたいのですが、

「もし定圧でなければ、dP≠0なので、
dH=dU+VdP+PdVVdPの項が消えず、これにdU=−PexdV+dQ を代入しても、dH=−PexdV+dQ+VdP+PdVという複雑な式になってしまい、せっかくHを導入した意味がなくなる。」「だからあくまでも、エンタルピーは定圧条件下で考える。そうすれば、定圧下で系に熱のかたちで流入したエネルギーdQを、dQ=dHというシンプルな形で表現できる

・・・という考え方でよいのでしょうか?

 引用の前段部分についてはすでにコメントしました。後段についてですが
系が外界と力学的平衡を保っている、すなわち系の圧力Pと外界の圧力Pex が常に釣り合っているという条件で考えます。これは可逆的膨張・圧縮ということです。このような可逆過程では
 Pex = P ± dP ≒ P
とすることができますから、
 dW = −PexdV = −PdV
です。
 dH=dU+VdP+PdV = dQ−PdV+VdP+PdV=dQ+Vdp
となります。したがって
 dQ=dH−VdP
となり、定圧という条件なら dP=0ですから
 dQ=dH
です。これは可逆過程という条件で成り立つ式です。
エンタルピーHは、定圧過程でなければ意味がないということではありません。



(11142)  (Re:11137)
Re2: 内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
YASU
2005年07月04日(月) 21時11分

11137へのコメント
M51さん、M&Mさん こんばんは、YASUです

> dQ=dH−VdP
>となり、定圧という条件なら dP=0ですから
> dQ=dH
>です。これは可逆過程という条件で成り立つ式です。
>エンタルピーHは、定圧過程でなければ意味がないということではありません。


意味が無いと説明したつもりは有りませんので、そこは誤解されないでくださいね。

エンタルピーを導入したら何が「うれしい」のか?と言う観点から、
等圧条件下では、dQ=dHとなって、すっきりとしますね!と言う意味です。



-=-=--=-=-=-=-=
YASU



(11112)  (Re:11105)
Re: 内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
M51
2005年07月03日(日) 08時32分

Sの単位はJ/Kなのでエネルギーではないですね!基本的なことを失念していました。だからH、U、F、Gとは別の世界なのですね。

「エンタルピーSは、P、T、Vのように、エネルギーを決める条件にすぎない。」「あの4つの頂点にあるS、P、T、Vはエネルギーを決める条件で、4つの辺にあるH、U、F、Gは条件によって決まるエネルギーを示す」

・・・ということで良いでしょうか?



(11124)  (Re:11105)
S、G、Fの導入の意義について考えてみました
M51
2005年07月03日(日) 18時15分

Sの導入の意義としては、「等温条件下で、dS(系)+dS(外)>0なら不可逆で、反応が自然に起こる。=0なら可逆であり、可逆的過程というのは仮想的で現実には起こらない過程な為、反応は自然には起こらない・・・というように、S導入により、反応が自然に起こるかどうかの判定が理解しやすくなる」ことが重要だと思いました。

Gの導入の意義としては、
「dS(系)+dS(外)の判定については、dS(外)を求めることが困難である。そこで、外界と系を合わせた全体のエントロピー変化を、系の性質のみで判定できるように式を変形するのだが、Gを導入すると、それをシンプルに表現できるようになる。つまり、
     dS(全)=dS(系)+dS(外)
  ここで、
     dS(外)=Q(外)/T=−Q(系)/T
  なので、
     dS(全)=dS(系)−Q(系)/T・・・式(1)
  これで全体のエントロピー変化を、系の性質のみで判定できるようになった。
  (等温)、定圧下ではQ(系)=dH(系)なので、
     dS(全)=dS(系)−dH(系)/T
  両辺にTをかけて
     T・dS(全)=T・dS(系)−dH(系)
  移項して、
    −T・dS(全)=dH(系)−T・dS(系)
  右辺をdGに置き換えて、
     dG=dH(系)−T・dS(系)
  とすると、
     −T・dS(全)=dG

「Gを使えば、ある条件下での、熱力学的平衡が簡単に理解しやすくなる・・・というのが重要。Gが最小になるように平衡が動く、となれば、工業的に平衡を扱うときに楽になる」

dH=dG+TdSの式は、「等温、定圧条件での変化において、系のエンタルピー変化dHは、dGは(ギブスの)自由エネルギー、TdSは束縛エネルギー、の部分に分けられる・・・ということをを示す。

「上の式(1)において、(等温)、定積条件にすると、dU(系)=dQ(系)なので、
   dS(全)=dS(系)−dU(系)/T
式変形をして、
   −T・dS(全)=dU(系)−T・dS(系)
右辺をdFと置き換えて
   dF=dU(系)−T・dS・・・式(2)
とすると、
   −T・dS(全)=dF

また、dW=dU(系)−dQにおいて、等温条件にすると、dQ=TdSで、
   dW=dU(系)−TdS・・・式(3)

式(2)(3)より(等温)、定積条件で、仕事として系に流入したエネルギーはdW =dFとシンプルに表現できるようになる・・・というより、こうなるようにFが導入された。」

「式(2)を変形したdU=dF+TdSの式は、「等温、定積条件での変化において、系の内部エネルギー変化dUは、dFは(ヘルツホルムの)自由エネルギー、TdSは束縛エネルギー、の部分に分けられる・・・ということをを示す。

・・・という感じでしょうか?また間違いや不十分な点がありましたらぜひ教えていただきたいです。お願いいたします。



(11131)  (Re:11124)
Re: S、G、Fの導入の意義について考えてみました
YASU
2005年07月03日(日) 22時06分

11124へのコメント
M51さん こんばんは、YASUです

この話の続きは、【物化】の部屋へ移動しませんか?

立派に大学レベルの話ですので...

そこで、#11129の発言を、【物化】にしておきますので、そこに続きをぶら下げてください。


-=-=--=-=-=-=-=
YASU



(11135)  (Re:11105)
Re: 内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
M&M
2005年07月04日(月) 12時03分

YASUさん、M51さん、こんにちは。
 このスレッドは本来はじめから【物化】に移動すべきものと思っておりましたので、コメントは差し控えておりました。そのうちどんどん内容が発展してしまい、【物化】に移動された内容は当初のものとはかなり異なっていますので、あえてこちらにコメントします。
YASUさん #11105
1.dU=dQ+dW ・・・ (1)

これが基本です。
dUをΔUと書いても良いのですが、微分と言う数学的な理解を正しく行うためにもdUとしたほうが良いと私は思うので、このような表記にします。

ここで、エントロピーSの定義から、dS=dQ/Tなので、dQ=TdS

圧力Pで体積Vだけ変化した時の仕事Wは W=PV となりますね。
では、仕事の変化はどうなるでしょうか?

dW=PdV+VdP

です。

ここで、圧力一定の条件があれば、dP=0だから、dW=PdVとなります。
一方、体積一定の条件があれば、dV=0だから、dW=VdPとなります。
dWは、条件が変わればこのように変化するのです。

 この中で少し気になることがあります。一つはエントロピーの熱力学的定義ですが、dS=dQ/T としてしまいますと誤解をまねきます。Qが系が 可逆的に吸収した熱 でなくてはなりませんから
  dS=dQrev/T  (Qrev:系が可逆的に吸収した熱)
となさるべきかと。
 次に W=PV という式が出てきますが、Wが系がなされた仕事であるとしますと、dW=−PexpdV から
      V2
 W=−∫PexpdV
      V1
となるはずです。Wは経路関数(状態関数ではない)なので、経路を指定しないと値は決まりません。条件抜きに W=PV としますと、P、Vは系の値であり、しかもP、Vともに状態量ですから、Wも状態量になってしまいます。したがって、一般に W=PV とすることはできず
 dW=PdV+VdP
なる式も成り立たないと思います。
YASUさん#11102 に書かれた
等積変化条件では、
w=VΔp
となるのです。

も同様です。等積変化であれば w=0 ですね。いかがでしょうか。私がなにか誤解しているのかもしれませんが……。



(11136)  (Re:11135)
Re:内部エネルギー、エンタルピーの導入における体積膨張の考慮
M&M
2005年07月04日(月) 12時19分

YASUさん、M51さん、こんにちは。文字(添え字)の訂正です。
#11135 M&M

としますと、dW=−PexpdV から
      V2
 W=−∫PexpdV
      V1

の中の Pexp は Pex と訂正します。





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