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(349) アルカリ性の水溶液の電気分解の式の導き方?
後藤昌紀
2004/05/28(金) 22:49

アルカリ性の水溶液の電気分解の陽極での反応で酸素の発生
の反応式

4OH- →2H2O+O2+4e-

は酸化還元の半反応式の作り方からどのように導けばいいのでしょうか。


(353) (Re:349)
Re: アルカリ性の水溶液の電気分解の式の導き方?
aromatic Kam
2004/05/30(日) 21:40

後藤昌紀さん、どうもごぶさたです。
ところで、おたずねの件ですが、

> 4OH- →2H2O+O2+4e-

> は酸化還元の半反応式の作り方からどのように導けばいいのでしょうか。


私は、「半反応式」というのは、酸化還元反応の(完結した)化学反応式をつくるまえの段階で、酸化反応または還元反応だけについて、電子を書き入れた形で書いた反応式。という理解をしていました。
そうすると、上記の反応式は、まさに半反応式そのものなのではないかな、と思えるのですが、どうなのでしょう?

また、実践事例など、ご紹介下さい。私も今年は、ぼつぼつ授業で実験をやらせています。

== FCHEM Forum SubManager 兼【教育】進行役 ==  aromatic Kam / 嘉村 均



(354) (Re:353)
Re2: アルカリ性の水溶液の電気分解の式の導き方?
後藤昌紀
2004/05/30(日) 23:30

>私は、「半反応式」というのは、酸化還元反応の(完結した)化学反応式をつくるまえの段階で、酸化反応または還元反応だけについて、電子を書き入れた形で書いた反応式。という理解をしていました。
>そうすると、上記の反応式は、まさに半反応式そのものなのではないかな、と思えるのですが、どうなのでしょう?

私の発問の仕方が悪かったようです。

たとえば、マンガン酸イオンが酸化剤として働くときの
半反応式の作り方は

1 はじめ、反応の主反応物を書く

   MnO4- → Mn2+

2 次に酸素の数だけ水を右辺に書き入れる。

   MnO4- → Mn2+ +4H2O

3 左辺に水素イオンを書く。

 MnO4- +8H+ → Mn2+ +4H2O
  
4 最後に電子を書き入れる。

 MnO4- +8H+ +5e-→ Mn2+ +4H2O
 
と言う風に半反応式を書くまでの道のりがありますよね。

アルカリ性水溶液の水酸化物イオンの場合、この道のりがどうなるのか
が思いつきません。

とくに電子の授受が4つのいうのはどこから来ているのでしょうか?

酸化数の変化からわからないのでここに発言を書きました。

#いくら上付き、下付きのタグを入力しても無効なタグと言われるので
#タグをすべて取りました。
#授業記録は下のHPで日々記録中です。

http://gomasan2.web.infoseek.co.jp/blog/



(355) (Re:354)
Re3: アルカリ性の水溶液の電気分解の式の導き方?
M&M
2004/05/31(月) 11:50

後藤昌紀 さん、こんにちは。お久しぶりですね。

 4OH- → 2H2O + O2 + 4e-

 これは「半反応式」そのもの、電極反応の半電池式、ですけれど、後藤さんが示された 半反応式の作り方 で作れるのではないでしょうか。ただ杓子定規に当てはめるとわからなくなるだけです。

 1 はじめ、反応の主反応物を書く

   4OH- → O2

2 次に酸素の数だけ水を右辺に書き入れる。

   4OH- → O2  + 2H2O

 この場合、残る酸素原子の数は2個ですから、その点さえ注意すればよいのです。

3 左辺に水素イオンを書く。

 すでに両辺の水素原子の数は同じですから、不要です。

4 最後に電子を書き入れる。

   4OH- → O2  + 2H2O + 4e-

>とくに電子の授受が4つのいうのはどこから来ているのでしょうか?

 左辺のOH- は電子1個を余分にもっています。それが電子を失う(酸化される)ので、4個の電子の授受ですね。

>酸化数の変化からわからないのでここに発言を書きました。

 酸化数の変化はもうお分かりかと思います。

>#いくら上付き、下付きのタグを入力しても無効なタグと言われるので

 この部屋ではまだ使えませんね。イルカさんお奨めの方法もありますが、結構めんどうくさいので、私はやりません。はやく簡単にして欲しいです。



(356) (Re:354)
Re4: アルカリ性の水溶液の電気分解の式の導き方?
LAKE@MTN
2004/05/31(月) 12:52

LAKE@MTN です

>とくに電子の授受が4つのいうのはどこから来ているのでしょうか?

「電荷保存則で、反応式の左右で、電荷を釣り合わせる」で答えになっている
でしょうか?


(357) (Re:356)
Re5: アルカリ性の水溶液の電気分解の式の導き方?
ジョン
2004/05/31(月) 16:43

ジョンです。初めての発言です。よろしくおねがいします。

>>とくに電子の授受が4つのいうのはどこから来ているのでしょうか?

これはひょっとして、作り方に従えば

2OH- -> O2 + 2H+ + 4e-

となってもよいのでは?とおっしゃっているのではないでしょうか?

もっとも、この場合も4電子は変わらないですが・・・




(358) (Re:357)
Re6: アルカリ性の水溶液の電気分解の式の導き方?
M&M
2004/05/31(月) 18:19

ジョンさん、みなさん、こんにちは。ジョンさん、はじめましてM&Mです。

>これはひょっとして、作り方に従えば

>2OH- -> O2 + 2H+ + 4e-

>となってもよいのでは?とおっしゃっているのではないでしょうか?

 ええ、そうです。半反応式はそれでもよいのです。

>もっとも、この場合も4電子は変わらないですが・・・

 ですから、後藤昌紀さんの疑問がそこにあったとは思えなかったのですが。

  2OH- → O2 + 2H+ + 4e-     (1)

でもよいのですが、アルカリ水溶液の電気分解という条件では、右辺のプロトンH+ はすぐにOH- と反応してH2Oになってしまいますので、(1)式の両辺に 2OH- を加えることになります。

  4OH- → O2 + 2H2O + 4e-     (2)

 酸化・還元反応だけを問題にするれば、(1)式でも正解です。(2)式には酸・塩基反応も含まれます。(1)式を得る手順は後藤さんがかかれたものとちょっと違ってきます。

1 はじめ、反応の主反応物を書く

  2OH- → O2

2 次に酸素の数だけ水を右辺に書き入れる。

 酸素の数は両辺で同じですから、水を書き入れる必要はない。

3 左辺に水素イオンを書く。

 ここでは 右辺 に水素イオンを書くことになります。

  2OH- → O2 + 2H+
  
4 最後に電子を書き入れる。

 電荷の保存が成立するためには、4e-を右辺に付け加えなくてはなりませんから

  2OH- → O2 + 2H+ + 4e-

です。



(359) (Re:358)
Re6: アルカリ性の水溶液の電気分解の式の導き方?
後藤昌紀
2004/05/31(月) 19:24

色々ありがとうございます。

最初の段階で主反応物を

 OHー → O2

としてしまうと、つくるのが難しいなぁと思ったのです。

 1 OH- → O2
 2 OH- → O2 + H2O
 
ここで 酸素原子の数合わせになりますね。未定係数決定法
で合わせれば数は合いますがどうもこれでは面倒な計算です。

主反応物を初めから 4OH- → O2 という風に係数まで
暗記しているのなら簡単ですが、化学で暗記は必要なのか
と思うと疑問を感じました。
(これぐらいの半反応式は暗記のうちに入らないといえばそれまでですが)

アルカリ溶液でない場合の電気分解の式
 2H2O → O2 + 4H+ +4eー

は半反応式の作り方からすんなり出てくるのに
アルカリ性だけは出てこない。(其れはアルカリだから、
水素イオンを書き入れると言うことが出来ないから)

生徒につぎのように説明しないといけませんね。

半反応式の導き方で導ける式もあるが、電気分解の場合は
暗記物だ。


(361) (Re:359)
Re9: 暗記
LAKE@MTN
2004/05/31(月) 21:48

LAKE@MTN です。

>生徒につぎのように説明しないといけませんね。
>
>半反応式の導き方で導ける式もあるが、電気分解の場合は
>暗記物だ。

「数学に限らず、一般的解法は、必ずしも、エレガントでは無い」と導く人も
います。もっとも、暗記節約主義に憑かれているであろう高校生が、この帰結
を受け入れるかどうかは、疑問でしょうが。

酸性水溶液を電気分解する時でも、塩酸、硫酸、或は、硝酸を使うかで、反応
式は、異なりませんでしたか? 「では、何が、そうさせているのか?」と疑
問に思う高校生は、いないのでしょうか?


(362) (Re:361)
Re10: 暗記
YASU
2004/06/01(火) 13:08

361へのコメント
LAKE@MTNさん こんばんは、YASUです

>酸性水溶液を電気分解する時でも、塩酸、硫酸、或は、硝酸を使うかで、反応
>式は、異なりませんでしたか? 「では、何が、そうさせているのか?」と疑
>問に思う高校生は、いないのでしょうか?

私は、まさにこのことで頭が疑問で一杯になり、当時の高校の先生に聞いたり、高校生向けの参考書を読んだり、一応は薬学部を出ている親に聞いたりしたが、結局すっきりせず、似たようなことが多くあったので、化学が嫌いになりました。


ただ物性科学への興味から、たままた大学で化学を専門にしましたが、今でも高校時代の化学は嫌いです。理屈も暗記も中途半端でしたね、今から27年前は....


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(365) (Re:362)
Re11: 化学とは、何か?
LAKE@MTN
2004/06/02(水) 21:20

LAKE@MTN です。

>結局すっきりせず、似たようなことが多くあったので、化学が嫌いになりまし
>た。

これも、一つの選択だと思います。

唯、化学は、善きにつけ悪しきにつけ、純物質の持つ反応の多様性を現実と受
け止め、それを探求することにある、と僕は思います。

他方、自然現象を数学的に記述する物理学では、質点の定義に象徴されるよう
に、現実の物質から、それの係る現象を理解するに必要な性質だけを抽出し(
勿論、観測の精度が、許す限りにおいて)、普遍化していると、思います。

ここが、両者の分かれ道でしょう。後は、個々人の選択があって然るべきだと、
思います。

>今でも高校時代の化学は嫌いです。理屈も暗記も中途半端でしたね、

現代化学の礎である物理化学をどの程度扱えば良いのでしょうか? 理論を先
行させれば、高校生の理解を越えるでしょうし、門外漢ながら、難問と感じま
す。


(369) (Re:365)
辛抱も必要か?
YASU
2004/06/03(木) 23:08

365へのコメント
LAKE@MTNさん こんばんは、YASUです

>>結局すっきりせず、似たようなことが多くあったので、化学が嫌いになりまし
>>た。

>これも、一つの選択だと思います。


う〜む、選択したわけではないんですよ。

自然科学は体系化されてしかるべきと言う感覚を、私は子供のころから持っていたのですが、高校の化学では、それが見事に裏切られたのです。
英語の方がよっぽど体系的で、学習しやすかったです。


>唯、化学は、善きにつけ悪しきにつけ、純物質の持つ反応の多様性を現実と受
>け止め、それを探求することにある、と僕は思います。


ここでおっしゃることは、今では全く同感致します。まさにその通りですね。

大学では、有機合成を専門に勉強しましたが、例えば溶媒効果の多様性には「シビレ」ました。THFを橋渡しにして、極性溶媒と無極性溶媒を適度に混合することで、色々と面白い効果を発見したり...といった実学的な側面は、化学の醍醐味だと、本当に思います。

「屁理屈言ってる人よりも作った人の勝ち」...と言うのが合成化学の神髄ですね。

そして、それが経験の浅い若手でも、面白い発見、発明を可能にしてくれると言うのは、量子力学で挫折した私のような人間には、気持ちの良いものです。

さらに、大方の予測を見事に裏切って、自分のひらめきによって新しい合成経路を発見するといった経験を1度でもすると、もう病みつきになってしまいます。

そして、私は「やっぱり化学が好き」と、化学の世界へ戻ってこられました。


>現代化学の礎である物理化学をどの程度扱えば良いのでしょうか? 理論を先
>行させれば、高校生の理解を越えるでしょうし、門外漢ながら、難問と感じま
>す。


本当におっしゃる通りです。有る程度の物理化学の素養があって、はじめて「分子や原子の気持ちになって考える」ことが可能になります。

化学の醍醐味を実感するまでは、辛抱して知識を蓄積する必要性を強く感じます。
少なくとも、大学4年生程度までは辛抱が必要ですね。

しかし、最近の新卒者を見ていると、辛抱して知識を詰め込むことが昔よりも出来なくなっていると感じるので、中高生、或いは大学生に化学の面白さを伝えることが、難しくなっていると言う危惧も持っております。


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(373) (Re:369)
化学の性格:博物学と物理学
IRON28
2004/06/06(日) 10:06

LAKE@MTNさん、 YASUさん こんにちは。
お二人の一連のご発言、興味深く拝見しました。

>自然科学は体系化されてしかるべき
これは近代物理学の”輝かしい発展”に由来する価値観のようです。この価値
観は原則としては妥当なことだと思いますが、各分野特有の性格を無視すると
いう欠点をはらんでいます。今の化学はそれなりに体系化されているし、今後
さらに体系化が進むと思いますが、物理学と同じようになることはありえない
と思います。それは両者の”出自の違い”のためです。

教養のときの有機化学の先生が言われたのですが、英語の語尾がryになる
学問は博物学(natural history)由来のもので、csで終わる学問は論理学
(logics)由来なのだそうな。するとわがchemistryはbiology、mineralo
gy、zoologyなどともに博物学仲間の一人ということになります。物理学phy
sicsと数学mathematicsはもちろん論理学仲間です。

 LAKE@MTN さんも触れておられますが、論理学系である物理の場合、力学の
勉強するのに現存する太陽系などを対象にする必要はなく、質点系を取り上げ
ればいいです。電気回路勉強するのに特定メーカーのテレビとか洗濯機の回路
図を持ち出す必要はなく、電源、抵抗器、コンデンサー、コイルをつないだ回
路図で十分です。つまり、この学問では現存物でない抽象化したモデルが使
え、さらに色々な結論が少数の法則や原理から導けます。だから、書物勉強や
学校授業になじみやすい。

 一方、博物学系学問の特徴はとにかく現存するものが対象になること。動物
学者は現存する動物が相手だし、われら化学屋は周期律表に登録されている元
素とその組み合わせでできる化合物が相手であり(将来合成されるものも含め)
、現存しないもの(2価のNa化合物とか)は相手にしません。従って学習も基
本的には現存する物質を”題材”にすることになります。また、何が現存して
何が現存しないかとか、各化合物の性質とかを論理的に導くことにはまだまだ
限度があって、「実験的に知る」ことが非常に重要。この点、深海にはどんな
形をした魚がいてどんな生活をしているのは海に潜ってみないとわからないこ
とに似ています。

要するに、博物学系学問では大量の事実を知ることが重要になりますので、い
きおい、暗記ものの性格を色濃く帯びることになります。化学にもそういう性
格が付きまとっています。
 ただ、学習者にとっての問題は今の化学にはある程度体系化された部分(物
理学的側面)と博物学的部分とが混在していることだと思います。これでは
「習ったことから論理的に導くべきこと」と「理屈抜きで覚えること」との区
別がつきにくいですね。一方、学習者としてなるべく効率よく学べることを期
待しますから、無意識的に物理学的側面に期待して、習ったことから予測なり
推論なりしてみます。しかし、答えは「実はそうはならないのだ」となること
がしばしばあります。「高校化学のレベルを超えている」と言われることも多
い。だから、YASUさんの場合、
>高校の化学では、それが見事に裏切られたのです
ということになったのでは(^^;。これは教職にない私の勝手な言い草ですが、
こういう生徒を出させないようにするには、教科書の書き方や教室での教え方
に工夫が必要ですね。下手に”物理学願望”を抱かせないようにするため。


(374) (Re:373)
Re12:化学の性格:博物学と物理学
IRON28
2004/06/06(日) 11:41

すみません、訂正すべきことがありました。
>英語の語尾がryになる

→語尾がyになる


(375) (Re:373)
Re12:化学の性格:博物学と物理学
IRON28
2004/06/06(日) 14:49

化学の理論と暗記に関して補足説明をしておきます。

今の私は理論化学の真髄たる量子化学を使った計算を勤務先での仕事の一つに
している者ですが、その私でも化学が物理学と全く同じように学べるとは思っ
ていないし、将来、学べるようになる日が来るとも思っていません。化学の”
博物学DNA”を消すなんて不可能だと思いますので。ですから、化学屋はすべ
からく、各論的知識を頭に蓄積することに努めて「歩く化学大辞典」になる方
が現実的だと思います。但し、熱力学や量子化学などの理論で武装することが
必須条件ですが(^^;。

>英語の方がよっぽど体系的で、学習しやすかったです。
うまい例を出していただきました。
化学における理論(フロンティア軌道理論など)や系統付けの諸概念(酸、塩
基、酸化、還元など)は語学における文法みたいなものです。ある長い英文を
暗唱しようという場合、英語の文法を知っている方が、知らない場合より暗唱
効率がはるかに高いに決まっていますね。つまり、文法には暗記を助ける機
能があるといえます。化学における理論や諸概念も各論知識の暗記を効率化し
てくれます。化学合成で活躍する”カン”や”ひらめき”を高度化してくれる
ともいえます。量子化学を学ぼうとしない合成屋は量子化学で武装した合成屋
には長期的に見て太刀打ちできないでしょうね。

 一方、文法の学習には例文が必要であり、場合によっては名作の一節を引用
することすらあります。この点においても上記の化学の理論や諸概念は文法に
似ていて、これら理論や諸概念の学習には必ず現存の化合物や反応を取り上げ
ざるを得ません。だから、これら理論や諸概念の理解にはある程度の各論知識
が必要であり、各論知識が豊富なほど理解が深まるという面もあります。
つまり、化学における理論や諸概念と各論知識は互いに持ちつ持たれつの関係
にあるわけです。では教育上どっちを先に持ってくるべきか、というとやはり
各論知識でしょうね。でないと、理論や諸概念の学習ができませんから。
英語や国語やるのにまず文法から入ることはしないのと同じです。



(376) (Re:375)
Re13: 化学の性格:博物学と物理学
YASU
2004/06/07(月) 08:04

375へのコメント
IRON28さん こんばんは、YASUです

話を面白い議論に昇華して頂いて、ありがとうございます。
私自身でうまくまとめきれないでいた部分が気持ちよくスッキリと表現されておりした。

「論理学と博物学」と言う切り口は納得のゆくモノと感じます。

では、博物学的要素を持った化学ですが、知識の詰め込みよりも「習うより慣れろ」が重要だと思います。

外国語で言えば、まずはコミュニケーションしてみる、プログラミングで言えばまずは動くプログラムを作ってみることが重要なのですが、化学でもまさに同じだと感じています。

簡単な実験をして考察する。CGを使って量子化学的過渡状態をビジュアルに学習するといった工夫が高校化学の時間に必要ですね。私が大学で量子化学の基礎が感覚として分かってはじめて化学が面白く感じるようになった経験から、量子化学の重要性は高いと思います。ここで必要なのは厳密な理論ではなく、自分自身が小さくなって原子や分子の上に立り、周りを見回した時の風景が想像できればそれで好いのです。



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YASU
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(379) (Re:376)
Re14: 化学の性格:博物学と物理学
IRON28
2004/06/07(月) 21:44


YASUさん こんばんは。

>話を面白い議論に昇華して頂いて、ありがとうございます。
>私自身でうまくまとめきれないでいた部分が気持ちよくスッキリと表現され
>ておりした。
ありがとうございます。YASUさんの断片的な言葉が化学の本質について
私が色々考えてきたことに触れていると思ったので、その「色々考えてきた
こと」を述べてみる機会としました。

>「習うより慣れろ」が重要だと思います。
全く同感です。難しい学問はよくわからないままでもいいから丸呑みして(受
け入れて)自分の問題にどんどん使うのが正解ですね。そうすればそのうち分
かってくるものですし・・・(^^;。




(382) (Re:379)
Re15: 化学の性格:博物学と物理学
公孫硫
2004/06/12(土) 11:51

先日、ゼミで文献紹介に当たっていた研究室の学生が「Fragrance Chemistry」と題して小レビューをやりました。香りの分類から始まって、この香りの分類に属する化合物としてはこのようなものがあって何から取れるという例示がずらずらとあって、嗅覚レセプターモデルについての紹介で終わるという、それなりに力の入ったものでした。

しかし、私はその小講演会が終わったあとに思わず「どこに化学(科学)があるのか?」と聞いてしまいました。確かに化合物はたくさん出てくる。構造的類似性についても分からないでもない。一見ちゃんとした有機化学(科学)に見える。でも、例えばジエチルエーテルとジエチルスルフィドの臭いの違いをどうやって説明するのか、プロピオン酸と酪酸の臭いの違いは何によるものなのか、シクロヘキセンとトリアルキルホスフィンがなぜ同様の臭いを持つのか、そういう疑問に答えるための何の手がかりもない。しかも、ある化合物を合成したとして、その臭いがどうであるかということについて何の予見をすることもできない。それは化学(科学)といえるのだろうか?と聞いたのです。

そのことについてその学生とやり取りしながらこの会議室の議論を思い出し、「香りの化学はまだ博物学の段階なのだな」と思い至りました。香りを持つ分子をいくら並べても(知識がいくら増えても)先の私の疑問に答えることは不可能です。嗅覚レセプターの作用機構が分子レベルで明らかになって「なぜ生物は匂いを感じることができるのか」が明らかにならなければ、説明し予見することはできないのでしょう。そして、私はそうなって初めて「香りの化学」を科学だと考えると思います。

もちろん、それまでにはどういう分子がどういう香りを持つかという膨大な知識が蓄えられていなければなりません。しかし、だからといってその知識そのものが科学(あるいは学問と言ってもいい)であるとは私には思えない。知識は科学ではない。私には博物学と科学の間には明確に差があると思うのです。その差は要するに帰納法と演繹法ということになるのでしょうか。科学が全て演繹法であるとはさすがに思いませんが、演繹を目指さなければ科学とは言えない、と私は思っています。なぜならば、予見性が科学の特質(本質とは言わない)だと思うからです。博物学的手法(帰納法)のように、いくら例を集めても一つの例外で全てが崩壊するのでは、とても予見性があるとは言えません。

Chemistryについて言うならば、Alchemistryが博物学であったならば、そこから脱却しようとするところにChemistryが始まったと思うということです。だから、

>>「習うより慣れろ」が重要だと思います。
>全く同感です。難しい学問はよくわからないままでもいいから丸呑みして(受
>け入れて)自分の問題にどんどん使うのが正解ですね。そうすればそのうち分
>かってくるものですし・・・(^^;。

については、半分同感ですが、半分否定的です。真理には段階があるので、現在理解できないところまで理解しろとは言わない。でも、現在自分が到達している段階までは、単に丸のみするのではなく「そうあるべき姿」というものがイメージできていて欲しいです。実際に目の前に起こることが「そうあるべき姿」と一致しなくなったら、次の段階に進めばいいのですから。

 公孫硫


(377) (Re:373)
RE: 論理学的?
LAKE@MTN
2004/06/07(月) 18:56

LAKE@MTN です。

>教養のときの有機化学の先生が言われたのですが、英語の語尾がryになる
>学問は博物学(natural history)由来のもので、csで終わる学問は論理学
>(logics)由来なのだそうな。するとわがchemistryはbiology、mineralo
>gy、zoologyなどともに博物学仲間の一人ということになります。物理学phy
>sicsと数学mathematicsはもちろん論理学仲間です。

>>英語の語尾がryになる→語尾がyになる

先ず、英語、フランス語、及び、ドイツ語とを比較すると、
(猶、ここでは、英語以外の言語のアクセント記号を省きます)。

英語     history chemistry biology mineralogy zoology
フランス語  histoire chimie biologie mineralogie zoologie
ドイツ語 Geschichte Chemie Biologie Mineralogie Zoologie

英語     logics mathematics physics
フランス語  logique mathematique(s) physique
ドイツ語 Logik Mathematik Physik

y-cs 説は、英語のみで成立しています。(当然ですが)

さて、辞書によると、

-ry 次の意味の名詞語尾 (1) 技術、職業、仕事。例 dentistry/palmistry.
(2)行為。例 [省略] (3) 性質、状態。例 [省略] (4) 集合。例 [省略] (5)
製造所、飼育所。例 bakery/brewery

-y1 形容詞語尾
-y2 [省略]
-y3 状態・性質を表す名詞を作る。例 jealousy/victory
-y4 [省略]

-logy <-(借用) Gk logia

chemistry は、chemist(=druggist) から作られ、この chemist は、
alchemist から生じた様です。そして、alchemy の語源は、ME <-(借用) OF
alchimie <- (借用) Arab. 'al-kimiya' ('al' the + Gk khuma fluid )

と記載されているので、語源上 chemistry と -logy 類とを同列に扱うのは、
無理がある様に思います。

次に、

physics は、L physica, GK phusika natural things
physisian と physicist とは、同じ語源を持っていそうです。

physique は、physiologie と science naturelle (これは、日本語の自然科学
では無く、博物学に近い意味です)と区別する、とあります。

history の語源は、ME <-(借用) L -ia <-(借用) Gk -ia <-(派生) histor
knowing (story を見よ) とあります。

更に、alchimie の初出は、1256年、alchimiste の初出は、1532年
chimie の初出は、1356年、 chimiste の初出は、1548年
   histoire naturelle の初出は、1551年
   sciences naturelles の初出は、 17世紀末
   science physique の初出は、 19世紀中葉
そして、
logique の初出は、1265年
です。

以上のことから

>英語の語尾がryになる学問は博物学(natural history)由来のもので、
>csで終わる学問は論理学(logics)由来なのだそうな。

>>英語の語尾がryになる→語尾がyになる

に強い疑問を呈します。


(378) (Re:377)
Re13:RE: 論理学的?
IRON28
2004/06/07(月) 21:21

>に強い疑問を呈します。

そうですか。じゃ、「それは両者の出自の違いのためです」を「その理由を
以下に説明します」に置き代えた上で、「教養のときの有機化学の先生が・・
」のパラグラフを次のように変えましょう(あの有機の先生、もう物故されて
いるので尋ねることができませんし)。

 物理学は自然現象を相手にしているとは言え、学問の性格は強く論理学的
 です。それに比べると化学には論理学的な側面があるとはいえ、博物学的側
 面をも強く持っていると思います。



(380) (Re:378)
Re14: 論理学的?
LAKE@MTN
2004/06/08(火) 20:08

LAKE@MTN です。

> 物理学は自然現象を相手にしているとは言え、学問の性格は強く論理学的
> です。それに比べると化学には論理学的な側面があるとはいえ、博物学的側
> 面をも強く持っていると思います。

僕の先に記した#365と異なるとは、思っていません。が、r-cs 説は、逸話とし
ては面白いと思いつつ、冗談に反論しましたが、その実、化学と物理をとを比
較するに当たっては、論理学と博物学とを例示として持ち出す事無く、夫々に、
内在する特質を取り上げれば、十分だと思っていました。

例証を持ち出せば、今度は、その関係が、議論され、はじめの命題の論点から、
徐々に、離れると思います、論理学を知らないので、専門用語で、何と表現さ
れているのか分かりませんが。


(367) (Re:359)
Re7: アルカリ性の水溶液の電気分解の式の導き方?
aromatic Kam
2004/06/02(水) 23:13

後藤さん、すみませんでした。私、ご質問の意図を取り違えていましたね。

ところで、取り違えた言い訳をしても仕方ないのですが、私は今回の議論を読むまで、半反応式の一般的な作り方といいますか、後藤さんが#354で紹介されている方法を、知らないでいたのです。それで、何をおっしゃっているのか分かりませんでした。化学の教員としてはお粗末なことですが、自分が高校生のときも、半反応式というのは苦労して(一気に)考え出すものでしたし、教員になってからも、もちろん自分が知らないのですから授業で生徒に紹介したこともありませんでした。

後藤さん#354より:
> たとえば、マンガン酸イオンが酸化剤として働くときの
> 半反応式の作り方は
>
> 1 はじめ、反応の主反応物を書く
>
>   MnO4- → Mn2+
>
> 2 次に酸素の数だけ水を右辺に書き入れる。
>
>   MnO4- → Mn2+ +4H2O
>
> 3 左辺に水素イオンを書く。
>
> MnO4- +8H+ → Mn2+ +4H2O
>  
> 4 最後に電子を書き入れる。
>
> MnO4- +8H+ +5e-→ Mn2+ +4H2O


面白いです。
高校教員のみなさん、どうでしょう、こんなやり方で半反応式をつくるんだよ、と生徒に紹介していらっしゃいますか?


== FCHEM Forum SubManager 兼【教育】進行役 ==  aromatic Kam / 嘉村 均



(368) (Re:367)
Re8: アルカリ性の水溶液の電気分解の式の導き方?
M&M
2004/06/03(木) 07:40

aromatic Kam さん、後藤さん、こんにちは。

 高校教員ではありませんが。原則は 1)反応式の両辺の原子数が等しいこと 2)両辺の電荷が等しいこと です。2)は最後に考えればよいので、まずは1)でね。それで後藤さんの手順には簡素化しすぎて不十分なところがあると思います。受験参考書である、河合塾化学科編、『理系 化学精説』、河合出版 には次のように手順がまとめられています。

1.反応物質と生成物質の化学式をそれぞれ左辺と右辺に書く。このとき、酸素原子と水素原子を除くその他の原子数は両辺で等しく成るようにする。
2.酸素原子が不足している方にその数だけ水分子を加えて、両辺の酸素原子数を等しくする。
3.水素原子が不足している方にその数だけ水素イオンH+ を加えて、両辺の水素原子数を等しくする。
4.正電荷が過剰になっている方にその数だけ電子e- を加えて、両辺の電荷を等しくする。

 どこが違うかというと、たとえば2と3で、右辺とか左辺とかに限定していないことです。「不足している方へ加える」という点です。

 さらにこの手順を機械的に適用するのではなく、「両辺の原子数が等しくなるようにする」という原則に絶えず従えば

 後藤さんの#359

>アルカリ溶液でない場合の電気分解の式
> 2H2O → O2 + 4H+ +4eー

>は半反応式の作り方からすんなり出てくるのに
>アルカリ性だけは出てこない。(其れはアルカリだから、
>水素イオンを書き入れると言うことが出来ないから)

というのも解決するはずです。

  OH- → O2
 ここでまず、酸素原子数を左右で等しくします。
  2OH- → O2

 次に「2.酸素が不足している方にその数だけ水分子を加えて、両辺の酸素原子数を等しくする。」というところで、酸素原子は左右ですでに等しいので、上の式に水分子を加える必要がありません。3、4に進みます。

  2OH- → O2  + 2H+

「アルカリ性だけは出てこない。(其れはアルカリだから、水素イオンを書き入れると言うことが出来ないから)」ではなく、水素原子が不足している方へ H+ を加えればよいのです。さらに電荷の保存から

  2OH- → O2  + 2H+ +4e-

 これで酸化還元反応は終わりです。この式でもよいのです。

 ここから先は酸化還元反応ではなく、酸塩基反応であることを教えます。両辺の2OH- を加えます。

  4OH- → O2  + 2H2O +4e-

 これでできあがりです。未定係数法など必要ないですね。



(360) (Re:356)
Re5: アルカリ性の水溶液の電気分解の式の導き方?
LAKE@MTN
2004/05/31(月) 20:41

LAKE@MTN です

既に、M&Mさんから詳しい説明がありますね。
自動巡回ソフトを使っているので、それに気付かず、周回遅れになりました。
他意は、ありません。




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