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(21) 分光光度計
COD
2005年03月02日(水) 23時00分

CODを調べるのに分光光度計を用いて調べることができるのか知りたいのですが。過マンガン酸カリウムを使って、比色計を使う方法と同じ要領でできるのでしょうか。波長を固定して透過率をみればよいのかなあとも思うのですが,波長はどこに固定すればよいか分かりません。それともずっと波長を変えて測定するのでしょうか。何もわからず,的はずれ的な内容でしたらすみません。どなたか分光光度計でCODを測定する方法をご存じないでしょうか。



(24)  (Re:21)
Re:分光光度計-1
伊豆倉 正敏
2005年03月03日(木) 23時24分

 すみません、光度計−1は一部の数値に間違いがありましたので自己削除しました。

 CODさんこんばんは、理科の部屋から飛んできたと言うことは学生さんですか?今の中学校・高校ではこの授業をどのように教えているか分からないので、専門用語をどこまで使っていいのか、どこまでかみ砕いて説明したらいいのかが分からないのですが、とりあえず「COD」「分光光度計」というキーワードから高校生かなと仮定して解答します。(理科の部屋は学年を書くようになっていませんでしたか?)

>CODを調べるのに分光光度計を用いて調べることができる
>のか知りたいのですが。過マンガン酸カリウムを使って、比
>色計を使う方法と同じ要領でできるのでしょうか。波長を固
>定して透過率をみればよいのかなあとも思うのですが

 CDDの「工場排水の」正式の分析方法のうち、過マンガン酸カリウムを使うのは、JIS(日本工業規格)−K0102(工場排水試験法)の
・通常の硫酸酸性でする17番の「100℃における過マンガン酸
 カリウムによる酸素消費量」と、
・特殊な試料でする19番の「アルカリ性過マンガン酸カリウ
 ムによる酸素消費量」があります。
・また「過マンガン酸カリウム」よりも酸化力の強い「ニクロ
 ム酸カリウム」を使用する方法も定められています。

JIS(日本工業規格)−K0102(工場排水試験法)
−17(100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量)

を判りやすく書くと(一部説明のために改変)

1.試料の適量を三角フラスコ300mlに入れる。
  別に、「蒸留水などのきれいな」水100mlをとり同様の操作
   をして空試験(ブランク)とする
 (注意1)過マンガン酸カリウム溶液の残留量が4.5〜6.5ml と
      なるような試料の適量を取る。
     ・滴定値が3.5〜5.5mlに入らなかったらやり直し
     ・試料量が決められない時は、試料量を変えて何種類か
      とる裏技もあります。
(注意2)ただし、CODMnが10mg/l以下の場合には(濃度が薄
     い場合には)試料量100mlで滴定値3.5ml以下で計算

2.「蒸留水などのきれいな」水を加えて100mlとする。

3.硫酸(1+2) 10mlを加える
   このときまではほぼ試料の色のまま

4.硝酸銀(200g/L) 5mlを振り混ぜながら加える
(注意3)これは、塩素が測定で妨害するので硝酸銀と
     反応させて塩素を取り除く操作です。
    ・硝酸銀溶液が10mlでも足りない場合には粉末
     で加えてもいいことになっています。
    ・粉末の場合は等量(この場合塩素と反応する量)
     +1gと定められています。
(例えば海水の場合JISの注意7として「通常の海水100mlと等量の硝酸銀は8.64gで添加量は9.6g」と書かれています。)
(自分の勤務先では塩素による妨害が多いので硝酸銀(500g/L) 10mlに変えています。)

(注意4)硝酸銀が体に付着すると皮膚が黒くなります。保護手袋
     (ゴム手袋で十分)を使用すること!
この時はほぼ試料の色のままで塩素があると反応して白色の沈殿をつくります。

5.5mmol/l(1/40N)過マンガン酸カリウム溶液を正確に
  10ml加える。
このときに赤というか紫がかった赤になります。

6.沸騰している水浴中(ウオーターバス、無ければ下に網を
  張ったなべで代用)で正確に30分間加熱します。
(注意5)試料の液面は沸騰している水よりも下にくるようにする。
    (重りがあるといいのですが。)
(注意6)正確に100度で加熱するために、ウオーターバスや
     なべのそこに三角フラスコの下が触れないように「離
     して置くこと」直接ヒーターやなべ底の熱が伝わると
     三角フラスコの中が規定されている温度を超えてしまいます。

7.水浴から取り出す
    このときの色は、本当なら赤からピンク色たまに茶色(笑)、この段階で色が消えていたら試料の取りすぎなので、試料を減らしてやり直し)

8.12.5mmol/L(1/40N)しゅう酸ナトリウム溶液を正確に10mL加える
  この時に過マンガン酸カリウムとシュウ酸ナトリウムが反応して無色か試料の色になります。
  塩素と硝酸銀が反応した塩化銀は白色ですが、すぐ下に沈みます。

9.液温を60〜70℃に保ち5mmol/L過マンガン酸カリウム溶液で
わずかに微紅色を呈するまで(30秒間着色すればよい)滴定する。

10.滴定値が3.5〜5.5mlに入ったもので計算する。
容量制限のために−2に飛びます。



(25)  (Re:21)
Re:分光光度計−2
伊豆倉 正敏
2005年03月03日(木) 23時39分

22に続いて23も数値間違いを見つけたので書き直します。
申し訳ございません。結局−1−2と並び直しになります。

計算式
CODMn(mgO/L)=(a-b)×f×1000/V×0.2
             ↑この「/」は割り算という意味(原文は分数)
a: 滴定に要した5mmol/L過マンガン酸カリウム溶液(mL)
b: 空試験の滴定に要した5mmol/L過マンガン酸カリウム溶液(mL)
f: 5mmol/L過マンガン酸カリウム溶液のファクター
V: 試料(mL)
               
小数点第1位まで有効数字3桁で行う。


 というわけで本来は「滴定」で行う方法です。
 しかも、過マンガン酸カリウムと試料に反応する量が条件によって変わるのでわざわざ「過マンガン酸カリウムの残存量がが4.5〜6.5mlを採用」することになっています。(つまり試料に反応する分(例えば有機物)と過マンガン酸カリウムの量とは直線では比例しない場合が多い)
 というわけで、滴定で、色が無色からわずかに微紅色を呈するまで(30秒間着色すればよい)というある範囲で急に色が変化するような測定なので(特に滴定時に最後の1滴をどうするかが勝負)色と濃度は完全には比例しないので(更に言うとくどいけれど適切な試料量で「過マンガン酸カリウムの残存量が4.5〜6.5ml」で分析しないといけない。)単に比色計で測定するのは難しいと思います。

>過マンガン酸カリウムを使って、比色計を使う方法と同じ要領
>でできるのでしょうか。波長を固定して透過率をみればよいの
>かなあとも思うのですが

 というような、比色計を使って波長を固定して透過率を求めることは難しいと思います。

 とは言っても、パックテストや専用の比色計を使った試薬セットが売られてます。これは試薬の組合せを工夫したり、専用の比色計の検量線(恐らく曲線だと思います。)を使って、正式のやり方の値と相関するようにした方法だと思います。詳しくは各キーワードでインターネットを検索して、販売しているメーカー・販売店に問い合わせてみて下さい。


伊豆倉 正敏
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(勤務先では分析はしていますが、開発コストが見合わずに、細菌試験の器具の改善開発はやりません、誰か代わりに「夢」をかなえて下さい。)
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