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(97) pKa
素人研究者
2004年12月15日(水) 23時34分

酸解離定数の求め方を調べています。
例えば、有機化合物の構造を見ただけで、
そのpKaを求めることは可能なのでしょうか?
その化合物が持つ官能基の種類によって
概算で求めることが可能という話を聞いたことがあるのですが、実際どのような計算方法をすればよいのでしょうか?



(102)  (Re:97)
Re:pKaについて
公孫硫
2004年12月20日(月) 12時07分

素人研究者 様

>例えば、有機化合物の構造を見てそこからpKaを求めることは可能なのでしょうか。

一般には、純粋に構造だけからpKaを求めることはできません。もしかしたら、最新の分子軌道計算をすれば求まるのかも知れませんが、その値を素直に信用できるほど精度は高くないはずです。これにはいくつかの理由がありますが、最も重要なのは、pKaというのが多数の水分子に囲まれた状態でのその系全体についての値であって、分子単独で求まる値ではないからです。

>また、ついている官能基の種類によって計算をすることが出来ると言うことを聞いたことがあるのですが、そのような方法しかないのでしょうか。できるなら、どのようにして求めるのでしょうか。

素人研究者さんが知りたい物質そのもののpKaは知られていなくても、その母体化合物(目的の物質から酸性を示す置換基以外の全ての置換基を取り除いたもの)のpKaが知られているのであれば、そこからその物質のpKaを推定することはできるかも知れません。やり方は、母体化合物の誘導体のpKaを調べ上げ、母体化合物にある置換基をつけたときにpKaがどれほど変化するかという量(置換基定数といいます)を計算し、そこから目的の化合物のpKaを(置換基定数の和として)推定する、という方法です。母体化合物が安息香酸、フェノール、酢酸である場合については、それなりに置換基定数が整備されています。Physical Organic Chemistryという表題の本を探せば、必ずそのような置換基定数の表が載っています。

ただし、置換基の数が増えてくるとこの方法の誤差は大きくなります。特に、ベンゼン環ではオルト位の置換基の効果を定量的に求めるのは困難です。それでも、二つの似たような化合物があったときに「どちらの方がpKaが大きいか」などということを推定する程度でしたる十分に役に立つでしょう。

 公孫硫





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